小学校の英語教育改革に伴い、文部科学省が増員の方針を示している英語の「専科教員」について、8割の先生が好意的な意見を示していることが2021年3月15日、イーオンの調査結果からわかった。コロナ禍でのスタートとなった小学校英語の教科化・早期化については、「児童の評価の仕方」を課題にあげる声がもっとも多かった。 「小学校の英語教育に関する教員意識調査2021」は、イーオンが2021年3月6日に開催した「小学校教員向け指導力・英語力向上オンラインセミナー」に申し込んだ教員134人を対象に実施したもの。コロナ禍でのスタートとなった新学習指導要領下における2020年度の小学校英語の教科化・早期化の状況や考えについて調査した。 新学習指導要領において、小学校5~6年生の英語を「教科」として教えた先生57人に「授業運営がうまくいっているか」を尋ねたところ、「うまくいっている」「おおむねうまくいっている」をあわせて35%が「うまくいっている」と回答。「うまくいっていない」「あまりうまくいっていない」の合計42%をやや下回った。 その一方で、早期化により「英語活動」を行うこととなった小学校3~4年生を担当した先生50人は、「うまくいっている」「おおむねうまくいっている」をあわせて28%と、「うまくいっていない」「あまりうまくいっていない」の合計48%を大きく下回る結果となった。 小学校5~6年生の英語を「教科」として教えた先生57人のうち、授業運営が「うまくいっていない」「あまりうまくいっていない」と回答した24人に対して、教えるのが難しいと感じている項目について尋ねた結果では、「スピーキング(やりとり)」が最多で、「スピーキング(発表)」が続いた。 小学校の英語教育改革に伴い、文部科学省が学級担任を持たず英語のみを教える「専科教員」の増員を進めていく考えを示していることについては、48%の先生が「とてもよいと思う」と回答。「どちらかといえばいいと思う」とあわせると8割の先生が好意的な意見を示した。 新型コロナウイルスの影響を受けて波乱のスタートとなった小学校英語の教科化・早期化について、予定通り進めることが難しかった点・課題と感じた点を尋ねた結果では、「児童の評価の仕方」がもっとも多く、「自身の英語指導力」「自身の英語力」と続き、自身のスキルに関する項目が上位に並んだ。 自身の英語力アップのための取組みをどの程度日常的に時間をさけているのかについては、9割が「1日1時間未満(まったく取れないも含む)」と回答した。2019年の調査でも同様の回答は9割にのぼっており、自身の学習時間確保に苦労している先生方のようすが見て取れる結果となった。週あたりでは「週1~3時間」が43%ともっとも多く、「週4時間以上」という回答も14%あった。