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岡崎市、全小中学校に「ボーカロイド教育版II for iPad」導入

 ヤマハは、ヤマハミュージックジャパンと共同開発・販売するデジタル音楽教材「ボーカロイド教育版II for iPad」が、愛知県岡崎市の市内全小中学校に導入されたとして事例を紹介した。自治体すべての小中学校に一括導入されるのは今回が全国初となる。

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ボーカロイド教育版II for iPad 利用イメージ
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  • 岡崎市立南中学校での先行活用のようす
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 ヤマハは、ヤマハミュージックジャパンと共同開発・販売するデジタル音楽教材「ボーカロイド教育版II for iPad」が、愛知県岡崎市の市内全小中学校に導入されたとして事例を紹介した。自治体すべての小中学校に一括導入されるのは今回が全国初となる。

 政府が掲げる「GIGAスクール構想」により、1人1台端末の整備やデジタル教材の導入といったICT活用が全国の教育現場で進められている。愛知県内3位の人口を有し中核市・中枢中核都市に指定される岡崎市では、「岡崎版GIGAスクール構想」を独自に掲げ、岡崎市内の全小中学生約3万4,000人分(小学校47校、中学校20校)のタブレット端末(iPad)と校内ネットワークの整備を2020年12月に完了し、児童生徒1人1台環境を実現している。

 今回、「より魅力的な学習ツールを」との岡崎市の教育への思いから、市内全小中学校に整備されたiPadに「ボーカロイド教育版II for iPad」がインストールされた。特に、岡崎市の音楽科教育は「探求」と「創造」という新しい「STEAM教育」の理念に基づいており、音楽科にとどまらない各教科と連携した横断的な学習への活用も想定しての導入だという。

 2020年4月に提供を開始した「ボーカロイド教育版II for iPad」は、ヤマハ独自の歌声合成技術「VOCALOID(ボーカロイド)」を用いたデジタル音楽教材「ボーカロイド教育版」の最新版。思い浮かんだメロディーをブロックのように並べ、歌詞を入力することで直感的に「歌づくり」ができる。子どもたちが意見を交換しながら作曲し、できた曲を歌って披露するまでをゴールにするなど、創造性にあふれた主体的・対話的で深い学びを実現。小中学校の英語教育改革を受け、英語の歌づくりにも対応。打楽器の音色も追加して小学校低学年からの活用も可能とするなど、幅広い学年で活用できる内容に拡充している。

 すでに岡崎市内の一部の小中学校では先行活用が始まっており、岡崎市立南中学校の2年生の音楽科授業では、17音の世界最短の文学である俳句に旋律を付けて楽曲を創作するという創作学習が行われた。授業を担当した教師からは「ボーカロイドを活用することで音楽の得手・不得手に関係なく表現できるようになり、生徒ひとりひとりの可能性が大きく広がったと感じた」との感想が寄せられている。岡崎市では、2021年度より各校で順次本格的に活用が開始される予定。

 「ボーカロイド教育版II for iPad」は、小中高対象。使用料2万円の無期限版と、年額6,000円の年額版の2つのライセンスが用意されている。加えて、2021年2月からは、学校や自治体での一括導入に対応した「スクール版ボーカロイド教育版II for iPad」の提供を開始。従来版の機能はそのままに、一括導入に適したライセンス体系、費用で導入をサポートする。詳細についてはWebサイトで確認できる。
《畑山望》

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