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児童生徒242人が感染、経路は「家庭内」57%…文科省

 学校が本格的に再開し始めた2020年6月1日から7月31日までの間、新型コロナウイルス感染症に感染した児童生徒は242人であったことが8月6日、文部科学省が公表した集計分析より明らかになった。感染経路は「家庭内」が57%にのぼり、特に小学生は70%を占めた。

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児童生徒の感染状況
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 学校が本格的に再開し始めた2020年6月1日から7月31日までの間、新型コロナウイルス感染症に感染した児童生徒は242人であったことが8月6日、文部科学省が公表した集計分析より明らかになった。感染経路は「家庭内」が57%にのぼり、特に小学生は70%を占めた。

 文部科学省では、各学校の設置者から報告があった感染事例について集計・分析。現在の感染の広がりの状況も踏まえ、今後求められる対策などとともに取りまとめ、8月6日付で都道府県教育委員会などに通知した。

 学校が本格的に再開し始めた6月1日から7月31日までの間、新型コロナウイルス感染症への感染が報告されたのは、児童生徒242人、教職員51人、幼稚園関係者29人。児童生徒の内訳は、小学校90人、中学校53人、高校97人、特別支援学校2人。なお、義務教育学校と中等教育学校については、小学校・中学校・高校のうち相当する学校段階に振り分けている。

 児童生徒242人のうち、症状がある有症状者は約半数にあたる120人。重症者はいなかった。感染経路は「家庭内」が57%ともっとも多く、小学校は70%にのぼった。このほか、「不明」24%、「家庭・学校以外の活動・交流」13%、「学校内」5%、「海外からの帰国」2%。「学校内」は計11人、事例としては中学校・高校での4件だった。

 教職員51人のうち、有症状者は78%。重症者は0人。教職員の内訳は、小学校21人、中学校7人、高校15人、特別支援学校8人。感染経路は「不明」が69%を占め、「家庭・学校以外の活動・交流」18%、「家庭内」14%。ただし、「感染経路不明」とされた中には、同一のクラスや同一の部活動において複数の生徒または教職員の感染者が発生している事例も複数見られるという。

 幼稚園関係者29人の内訳は、園児16人、教職員13人。有症状者は、幼児が38%、教職員が77%。重症者はいなかった。

 文部科学省では、児童生徒の感染経路として「家庭内」が最多であること、教職員の感染経路の多くが「不明」であることなどを踏まえ、「ウイルスを学校に持ち込まないようにすることが一層重要」と指摘。「家庭内感染への対策」として、児童生徒や教職員本人に限らず、同居家族に発熱などの風邪症状がある場合も登校しないよう徹底。教職員が休みをとりやすい職場環境も重要とした。

 「学校外での活動にかかる対策」では、換気が悪く、人が密に集まって過ごすような空間に集団で集まることを避けるよう留意。生徒の年齢が上がるにつれて活動範囲も広がることから、特に高校生らに改めて指導するよう求めた。

 学校内で感染を広げないための対策については、学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル「学校の新しい生活様式」にしたがって感染症対策を講じる。中学校や高校では、1人から複数に感染が広がる事例が数件起きていることから、まずは生徒に手洗いや換気など基本的な感染症対策の指導を徹底し、地域の感染状況を踏まえた感染症対策を改めて点検。衛生管理について生徒自ら留意するよう指導することが必要とした。

 国内発生後からの蓄積データによると、10歳未満および10代は新型コロナウイルス感染症の罹患率がほかの年代より低くなっており、発症割合、重症割合ともに小さいとされている。「15歳未満の罹患率がもっとも高いインフルエンザとは、感染しやすい層の傾向が大きく異なる状況」と考えられるが、新型コロナウイルス感染症はいまだ不明な点も多く、引き続き十分注意する必要があるとしている。
《奥山直美》

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