文部科学省は2020年6月15日、Webサイトに「教育活動の実施等に関するQ&A」を公開した。発熱で学校を休んだ児童生徒の再登校基準、修学旅行の実施に関する見解、児童生徒の心のケア、学習活動の留意点、教職員の勤務など、幅広い質問内容を紹介している。 「教育活動の実施等に関するQ&A」は、学校設置者・学校関係者向けに新型コロナウイルス感染症に対応した教育活動の実施などについて、質問と文部科学省の回答をまとめたもの。5月21日時点で全104問にわたるQ&AをPDFで公開しているほか、分野別にまとめた内容をWebページに掲載している。 Webページで紹介している質問内容は、「学校における感染症対策」「感染者が発生した場合や児童生徒等の出席等の対応」「学校の臨時休業」「学習指導等」「その他」の5分野。マスク不足への対応、健康診断の実施、児童生徒の心のケア、学習活動の留意点、教職員の勤務、保育料や授業料の取扱いなど、幅広く網羅している。 たとえば、発熱で学校を休んだ児童生徒の再登校基準については、「熱が下がった後にすぐに登校してよいかどうかについては、地域の感染の状況によって判断が変わる」と説明。基本的な考え方として、感染経路不明の感染者が多発している地域は「熱が下がった後も一定期間自宅にとどまっていただく対応も考えられる」、感染経路の不明な感染者がいない地域は「一時的な発熱の後、他に症状もないような場合に登校を拒む根拠は乏しい」と述べている。 修学旅行の実施については、「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」や「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」、新型コロナウイルスの感染状況などを踏まえて学校設置者が適切に判断。実施に際しては、日本旅行業協会などが作成した「旅行関連業における新型コロナウイルス対応ガイドラインに基づく国内修学旅行の手引き」などを参考に旅行事業者などと連携し、感染対策の徹底に努めるよう求めている。 そのうえで「当面の措置として修学旅行を取り止める場合においても、その教育的意義や児童生徒の心情等にも配慮いただき、中止ではなく延期扱いとすることを検討いただくなどの配慮をお願いしたい」との考えを示している。 「教育活動の実施等に関するQ&A」は、文部科学省のWebサイトから確認できる。