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授業以外でできる学習活動や注意点、文科省が通知

 文部科学省は2020年6月5日、学習活動の重点化について全国の教育委員会などに通知した。年度内に指導内容を終えることが困難な場合の特例的な対応として、授業以外の場で教科書を取り扱うことができるとし、小学6年生と中学3年生への対応や留意事項をまとめている。

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 文部科学省は2020年6月5日、学習活動の重点化について全国の教育委員会などに通知した。年度内に指導内容を終えることが困難な場合の特例的な対応として、授業以外の場で教科書を取り扱うことができるとし、小学6年生と中学3年生への対応や留意事項をまとめている。

 臨時休校の長期化や分散登校などにより、通常の学習活動で指導を終えることが困難な場合について、文部科学省は5月15日発出の通知「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた学校教育活動等の実施における『学びの保障』の方向性等について」で特例的な対応を記載。個人でも実施可能な学習活動の一部を授業以外の場で行うことで、学校でしか実施できない実習などに重点化することが考えられるとの方針を示している。

 今回、教科書発行者の協力で、小学6年生と中学3年生の教科書の取扱いについて、授業における学習活動の重点化を行う際の参考資料を作成。通知では、教育課程を編成するにあたり、通知で示した留意事項などを踏まえたうえで、教科書発行者の資料を参考とするよう求めている。高校などについても各教科・科目の特質、生徒の発達段階などを踏まえて参考にしてほしいとしている。

 国語、社会、算数・数学、理科、音楽、外国語、道徳など、小学6年生と中学3年生の学習活動の重点化に係る考え方を教科・科目別に整理。学校の授業で取り扱うことが望ましい学習と、学校の授業以外の場で取り扱うことが考えられる内容を取り上げている。

 たとえば、学校の授業以外の場で取り扱うことが可能な学習活動について、小学6年生の算数では「教科書の問題演習や、学習した内容について自分の考えをまとめる活動」、中学3年生の社会の歴史的分野の学習では「単元の導入時の学習の『見通し』を立てる活動や、単元末において自らの学習の『振り返り』を行う活動」などをあげている。

 留意事項については、ICTや学習指導員の活用、地域・家庭などとの連携を図り、学校の授業以外の場での児童生徒の学習状況を適切に把握するよう記載。家庭の事情などで実施が困難と思われる授業生徒については、学校で個別に指導するなどの配慮も求めている。

 なお、教科書発行者による参考資料は、文部科学省や教科書協会のWebサイトから閲覧可能。発行者ごと、学校の授業以外の場で取り扱うことが考えられる教材・学習活動、感染症対策の観点から指導順序の変更が考えられる教材・学習活動などについてまとめている。今後は、小学6年生と中学3年生以外の学年についても順次掲載予定。
《奥山直美》

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