文部科学省は2026年6月18日、中央教育審議会の教育課程部会 外国語ワーキンググループで、次期学習指導要領に向けた外国語教育の取りまとめ案を示した。AIを含むデジタル学習基盤の活用を学習指導要領に明記し、適切なAI活用を有効な学習手段として位置付ける。
AIの活用については、現在、学校現場の判断に委ねられており、外国語学習の「量」や「質」の差につながることが懸念されている。この格差を是正するため、次期学習指導要領では「AIを含むデジタル学習基盤の活用」を明記する。
具体的には、指導の参考となる考え方や実践事例、授業内外での効果的な活用に向けた留意点や動画・資料のほか、生成AIを活用して自分の考えを英語で表現する活動の充実案などを示す。
小・中・高校の校種間の接続については、指導内容や難易度が円滑につながるよう構造的な見直しを検討する。現行の「領域別の目標」の要素は「内容」に位置付け直し、「英語を使って何ができるようになるか」を学年ごとにきめ細かく記載する。また、各教科書での語彙のばらつきや難易度の過度な上昇を抑えるため、国が「基盤語彙リスト」を作成する予定。
小学校では、高学年で始まる「読み書き」へ円滑に移行するため、国語科のローマ字学習やタイピングなどと関連付けながら、文字に慣れ親しむ活動を充実させるとともに、日本語との語順の違いなどにも気付かせ、中学校の文法指導へつなげる。
中学校1年生の初期段階では、小学校での学びと関連付けながら音声中心の活動を重視する。また小学校では読み書きが書き写しを中心としていることを踏まえ、中学校では文構造(語順)を意識しながら書く指導を丁寧に行う。
高校では入学初期に生徒の学習状況を把握し、中学校までの学習内容の定着を図る。科目は「英語コミュニケーション(総合)」と「英語コミュニケーション(発信)」に見直し、中学校までの5領域の学びを土台として、領域統合型の活動や高度な発信力の育成につなげる。高校段階で、すでに高い英語力(目安としてCEFR B2レベル相当以上)をもつ生徒に対しては、必履修科目「英語コミュニケーション(総合)I」の履修免除・振替を認める制度の運用も検討している。(※科目名は仮称)
取りまとめ案では、外国語を学ぶ本質的な意義を再定義し、言葉や文化、コミュニケーションへの深い理解を育むとともに、思考力・判断力・表現力といった人間ならではの能力の育成を重視する方針が示された。










