文部科学省は2026年3月19日、「知識集約型社会を支える人材育成事業」(令和2年度・3年度採択)の事後評価結果を公表した。Society5.0時代に対応した大学教育改革の成果を検証したもので、採択された9大学の取組みのうち7大学が事業目的を達成したと評価され、そのうち6大学はS評価を受けた。
同事業は、Society5.0時代などに向け、全学横断的な改善の循環を生み出すシステム(全学的な教学マネジメントの確立、管理運営体制の強化や社会とのインタラクションの強化など)の学内における形成を実現しつつ、今後の社会や学術の新たな変化や展開に対して柔軟に対応しうる能力を有する幅広い教養と深い専門性を両立した人材を育成することを目的とした事業。
令和2年度(2020年度)は、「メニューI:文理横断・学修の幅を広げる教育プログラム」で新潟大学、金沢大学、信州大学、大正大学、東京都市大学の5大学を、「メニューII:出る杭を引き出す教育プログラム」で麻布大学を採択。加えて、令和3年度(2021年度)には「メニューIII:インテンシブ教育プログラム」で千葉大学、早稲田大学、名古屋商科大学の3大学を採択した。
今回、令和6年度(2024年度)に補助事業が終了したことを踏まえ、各採択大学の取組みの進捗状況や達成状況を確認する事後評価を実施。事後評価は、「教育改革の実施基盤」「計画の達成状況」「事業の継続性」「成果の先進性と普及」「現地視察時の課題への対応等」の5つの観点で実施され、S・A・B・Cの4段階で評価された。
その結果、新潟大学、金沢大学、大正大学、東京都市大学、麻布大学、千葉大学の6件がS評価を獲得(66.7%)。計画を超えた取組みと成果が得られ、事業目的を十分に達成していると評価された。A評価は早稲田大学、B評価は信州大学と名古屋商科大学の2件となり、事業目的未達と評価されるC評価はなかった。
評価では、学長のリーダーシップの下で部局横断の体制を構築し、文理融合教育やメジャー・マイナー制度の導入、早期研究や高大接続の強化などが進んだ点が高く評価された。また、プログラムオフィサーによる継続的な伴走支援や、フォローアップを通じた改善の積み重ねが評価向上に寄与したと分析されている。
一方で、大学ごとの資源差や全学的改革の難しさなど、成果の全国展開に向けた課題も指摘された。今後は各大学の特性に応じた実装モデルの構築と、成果の普及が重要になるとされている。文科省は、同事業で確立された「学修者本位の教育」や「分野横断的な学び」が、今後の高等教育改革の基盤となることに期待を寄せている。








