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埼玉大など国立9大学理学部、広域連携をスタート

 茨城大、信州大、埼玉大など国立9大学の理学部は2025年12月1日、「9大学理学部連携協定」を締結した。各大学が有する多様な資源を活用しあい、研究や社会共創など幅広い分野で相互補完と強化を図っていく。

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国立9大学理学部による広域連携
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 茨城大、信州大、埼玉大など国立9大学の理学部は2025年12月1日、「9大学理学部連携協定」を締結した。各大学が有する多様な資源を活用しあい、研究や社会共創など幅広い分野で相互補完と強化を図っていく。

 2025年3月に国立大学協会より公表された「わが国の将来を担う国立大学の新たな将来像」では、国立大学には個々の力の積算にとどまらず、集団として次元の高い「国立大学システム」として機能することが求められている。

 そこで今回、茨城大、愛媛大、鹿児島大、埼玉大、静岡大、信州大、富山大、山形大、山口大の9大学理学部は、「国立大学システム」を具現化する広域連携の1つとして、本協定を締結。これまで、それぞれの設置目的、立地、歴史などに基づき多様な役割を担ってきたが、今後は異なる特徴を有する大学が連携することにより、単独では得られない相乗効果を創出し、総体としての機能発現を目指す。

 協定の締結に先立ち、同年10月1日に9大学理学部関係者による「第1回カリキュラム・教育等の連携に関する連絡協議会」を開催。協議会では、正課カリキュラムに関する教育連携の一例として、9大学理学部で教育に携わる総勢600名を超える教員を高度人材バンクと位置付け、各大学で開講が困難となった科目などに対し、他大学から非常勤講師を派遣しやすくする仕組みの構築が進められている。

 また、正課カリキュラム以外に関する教育連携の例として、「プログラミングランクチャレンジ(仮称)」の実施を計画。共通のオンライン教材を用いて学生が自宅等から学習を進め、その進捗状況や到達度を9大学の学生が競いあうもので、オンライン学習という場所を選ばない教育システムの特長を最大限に生かし、9つの県にまたがる多様な学生を対象とした取組みとして展開する。さらに、優秀な成果をあげた学生や大学を表彰する仕組みを設けることで、学習意欲を高めるとともに、理学分野における新しい学びのモデルを社会へ発信していく。

 今後は、このような教育面での取組みを起点として、オンラインや遠隔システムを積極的に活用し、地理的制約を超えた広域連携の特色を一層強化。教育・研究・社会連携を有機的に結び付け、全国規模での大学連携の新たなモデル事業を創出していくことを目指すという。

《木村 薫》

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