教育分野への安定的な財源確保に向けた「教育国債」の導入検討について、文部科学省の松本洋平大臣は2025年11月7日の記者会見で言及。現時点で具体的な協議は行われていないものの、今後政府内で検討が進むだろうとの認識を示した。そのうえで「必要十分な予算を確保できるよう全力を尽くしたい」と述べた。
会見で出された教育国債に関する質問は、国会での代表質問を受け、高市総理が「新たな財源調達のあり方について前向きに検討する」と発言したことを踏まえたもの。松本大臣は、現時点で話があがっているわけではないが、今後政府内で検討が進むであろうとしたうえで、文部科学省としては、将来に向けた教育・人づくりのための必要十分な予算をしっかりと確保するよう尽力する考えを強調した。
あわせて会見では、外国人への日本語教育の充実についても言及した。総理指示を受け、文科省は日本語教育機関認定制度の運用強化や、自治体による地域の日本語教育体制の整備支援を進めている。特定の地域だけでなく、外国籍児童生徒が全国的に増え、母語の多言語化も進む中、学校現場での日本語指導をどう支えるかは大きな課題となっており、今後、有識者会議の議論を踏まえて方策等を検討する考えを示した。
不登校児童生徒の学校外での学習活動を「出席扱い」とする制度については、民間調査で認知度の低さが指摘されたことを受け、「周知の徹底と保護者への相談支援体制の強化を図る」と明言した。文科省が行った2024年度の調査では、ICTを活用した自宅学習で出席扱いとなった児童生徒が約1万3,000人に達し、前年度比で3,000人増加したものの、全体から見れば依然少数にとどまる。松本大臣は「努力を正当に評価し、進学で不利にならないよう、子供たちの未来が開けるような体制を整備する」と述べた。
さらに、部活動での行き過ぎた指導をめぐる報道についての質問には、顧問任せにせず学校全体で指導のあり方を考えることが重要であるとした。文科省は11月中に全国の体育等主管課長を集めた会議を予定しており、まずは全国的な会議の場で暴力や不適切行為の根絶を徹底する方針。文部科学省としても、引き続き対応について検討を続けるとした。







