熊の出没が全国各地で相次ぐ中、文部科学省の松本大臣は2025年10月28日の記者会見で、児童生徒の安全を守るため、環境省の知見を活用しながらこれまで熊被害のなかった他地域への情報提供も検討していることを明らかにした。
熊による被害や目撃が増加傾向にあり、登下校や屋外の部活動など学校現場での安全確保が課題となっている。熊の出没が想定される地域では、従来から危機管理マニュアルに対応方法を定めてきたが、今年は被害がより深刻化している地域もある。文部科学省はこうした状況を踏まえ、各地の事例や環境省の知見を参考に、熊被害がこれまで少なかった地域にも情報を共有するなど、対策の強化を検討している。
一方、10月27日に始まった読書週間にあわせて、ベネッセコーポレーションと東京大学が発表した共同調査では、「読書をしない」子供が10年前に比べて約1.5倍に増えていることが明らかになった。松本大臣は、学びの質を高めるうえで読書習慣の定着が欠かせないと強調。「学校での教育を通じて、まずは読書の素晴らしさをしっかりと子供たちに伝えていくことが極めて大切だ」と語った。
また、小学校の給食費無償化については、2026年4月からの完全実施に向け、関係機関と調整を図りながら、必要な準備を進めていく考えをあらためて示した。具体的な進捗状況については言及を避けた。
会見冒頭では、H3ロケット7号機の打ち上げについて触れ、「新型宇宙ステーション補給機1号機(HTVX1)が打ち上げられ、国際宇宙ステーションへの物資補給と新技術の実証が進む」と説明した。H3ロケットはこれで5機連続の打上げ成功を記録。今後も開発・運用の強化を図り、国際競争力を高めていく方針としている。







