教育業界ニュース

新文科大臣・松本洋平氏初の会見10/22…教育と科学技術の重点語る

 文部科学省は2025年10月22日、松本洋平・新文部科学大臣の就任記者会見を行った。会見では、教育・科学技術・学術・スポーツ・文化の広範な所管分野について今後の方針を説明し、学校給食無償化や高校無償化、歴史認識、先端技術、エネルギー研究など多岐にわたる質問に応じた。

教育行政 文部科学省
松本洋平文部科学大臣記者会見(2025年10月22日)
  • 松本洋平文部科学大臣記者会見(2025年10月22日)

 文部科学省は2025年10月22日、松本洋平・新文部科学大臣の就任記者会見を行った。会見では、教育・科学技術・学術・スポーツ・文化の広範な所管分野について今後の方針を説明し、学校給食無償化や高校無償化、歴史認識、先端技術、エネルギー研究など多岐にわたる質問に応じた。就任後初の会見で、現場の声を踏まえ「手触り感のある行政」を進める姿勢を示した。

 教育分野では、人づくりを国家基盤と位置付け、現場の課題解決とともに子供の可能性を伸ばす環境整備に注力する考えを示した。自身の幼少期の体験を踏まえ、教師が果たす役割の大きさに言及し、働きやすさ・やりがいの向上を含む教員環境の整備を推進するとした。

 また、松本氏は、文科相就任前は自民党政務調査会の副会長兼事務局長として教育分野の与党3党協議に参画してきた経歴を持つ。その経験を生かし、高校段階では、修学支援金制度の拡充や高校改革の議論を踏まえて、専門高校を含む公立高校の学びと地域人材育成を支える取組みを進める方針を示した。

 政策課題では、学校給食無償化について、与党合意に基づき2026年4月からの小学校給食無償化の実施に向けて制度設計を進めると説明。中学校給食の無償化については、いまだ道筋が示されていないとし、今後の与党協議の動向を見ながら検討するとした。

 科学技術・学術分野では、経済・社会課題解決の基盤としてイノベーション力の強化を最優先に掲げ、若手研究者支援や基礎研究の充実を進めると表明。宇宙・AI・半導体・マテリアルなど先端分野への戦略的支援を強調し、2026年度からの第7期科学技術イノベーション基本計画の策定に向けた動きに全力を尽くすとの考えを示した。エネルギー研究では、次世代革新炉やフュージョンエネルギーについて、エネルギー基本計画や「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」を踏まえた研究開発・人材育成・産業化を推進する考えを示した。

 文化・スポーツ分野については、国民のアイデンティティや地域活性、健康増進に資する分野として位置付け、環境整備を進めると述べた。総じて松本大臣は、現場の声を丁寧に聴取し、教育から科学技術、文化・スポーツに至るまで政策の実効性を高める姿勢を示した。

《畑山望》

この記事はいかがでしたか?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top