文部科学省のあべ俊子大臣は2025年9月30日の記者会見で、グローバル卓越人材招へい研究大学強化事業(EXPERT-J)の採択大学決定、教育・文化週間での「映画 すみっコぐらし」とのタイアップなどを報告した。通学路の安全確保、教師の人事評価制度などについても語った。
あべ大臣は記者会見の冒頭、国民スポーツ大会総合開会式への出席と彦根城の視察、教育・文化週間と「映画 すみっコぐらし」のタイアップ、グローバル卓越人材招へい研究大学強化事業(EXPERT-J)の採択大学決定について紹介した。
このうち、大学ファンドの緊急的な活用により、海外の優秀な若手研究者などを受け入れ、研究力の向上に取り組む大学を支援するEXPERT-Jについては、申請のあった13大学のうち11大学を採択。「今後本事業により、わが国の国際頭脳循環が強化され、日本の研究力の向上がさらに図られることを期待申し上げる」と述べた。
教育・文化週間(11月1日~7日)については、2025年は「映画 すみっコぐらし 空の王国とふたりのコ」(10月31日公開)とタイアップした。この映画は冒険をテーマにしており、「子供も大人も教育文化週間の期間中にさまざまな関係イベントに参加体験したり、博物館に出向いたりするなどの冒険に出かけて自分なりの宝物を手に入れてほしいという思いを込めてポスターを作成した」と報告。教育文化への理解や関心を深める一助となることに期待を寄せた。
教員の働き方改革を促す新しい指針の「学校と教師の業務の3分類」で、「学校以外が担うべき業務」とされた登下校の見守り活動については、「通学路における対応はこれまでも基本的には学校以外が担うべく業務とされていたところだが、今般指針に位置づけるにあたり、あらためてその趣旨を明確化したもの」と解説。「引き続き学校の負担にも留意していきながら、関係省庁とも連携して必要な対策にしっかり取り組んでまいりたい」と語った。
この指針で、人事評価制度を盛り込んだことについては、「人事評価制度は頑張っている教師に報いるための基本的な制度であり、地方公務員法に基づき適切に運用していただくよう各教育委員会に対して指導を徹底してまいりたい」と述べた。
埼玉県内の私立高校が入学者選抜で業者テストの結果を利用していたという報道については「現在、学校を所管する埼玉県において事実関係を確認しているところ」としたうえで、「一般論として申し上げると、高等学校の入学者選抜は公教育としてふさわしい適切な資料に基づいて行われるべきもので、業者テストの結果を資料として用いた入学者選抜が行われることはあってはならない」と言及した。