文部科学省のあべ大臣は2025年9月2日、記者会見を行い、学校における防災対策やICT活用の現状について説明した。避難場所にもなる体育館の空調整備率には地域差があることを踏まえ、臨時特例交付金の積極的な活用を呼び掛けた。また、1人1台端末の導入による学習効果の向上が確認されたことを報告した。
災害が頻発する中、あべ文部科学大臣は、学校の防災対策の重要性を強調。体育館への空調設備をはじめとした学校施設の耐震性強化や防災教育、さらに地震本部や火山本部の方針に基づく調査研究を推進し、あらゆる自然災害を対象とした基礎的な研究開発を進めていると述べた。
このうち、体育館の空調設備整備については、自治体間で整備状況に差があることを踏まえ、臨時特例交付金の活用を促進する方針を示した。補助率の引き上げについては、国と地方の役割分担の観点から現時点では考えていないが、自治体からの意見を踏まえ、効果的な整備事例の周知を図るなど、整備促進に向けた取組みを進めるとした。
教育の情報化については、1人1台端末の導入が進み、学習効果の向上が確認されたことを報告。2025年度の全国学力学習状況調査では、ICT機器の活用頻度が高い児童生徒の方が学力が高いことが確認されており、不登校や特別支援を要する児童生徒の学習支援にも役立っているとの見解を述べた。
一方、難民申請中の外国人の子供を強制送還しないよう、関係省庁に求める署名が提出されたことには、出入国在留管理庁が法令に基づき対応しているとしたうえで、文部科学省として、引き続き、学校における外国人児童生徒の受け入れに必要な支援を行うと語った。
また、教員らのグループが児童の盗撮画像などを共有していたとされる事件で4人目の逮捕者が出たことを受け、児童生徒への性暴力は決して許されないと強調。学校全体でこうした事案を根絶するための意識を高め、具体的な対策に取り組む必要があると述べた。