保育所などの入所を待つ待機児童数が、2025年4月1日時点で過去最少の全国2,254人になったことが、こども家庭庁の調査で明らかとなった。待機児童数は前年比313人減、2017年のピーク時から8年連続で減少している。
こども家庭庁は、全国の保育所等の状況を把握することを目的に、「保育所等関連状況取りまとめ」を毎年実施。2015年度調査以降は、従来の保育所に加え、幼保連携型認定こども園等の特定教育・保育施設と特定地域型保育事業(うち2号・3号認定)を対象に調査している。
この取りまとめによると4月1日時点で、保育所等の定員は前年比1.5万人減の303万人で、定員充足率は88.4%。保育所等を利用する児童の数は、前年比2.7万人減の268万人。3歳未満児が全体の90.6%を占める待機児童数は全国2,254人で、前年同期比313人減、2017年のピーク時から8年連続で減少した。
都道府県別にみると、待機児童数がもっとも多いのは東京都で339人、ついで滋賀県335人、埼玉県208人、兵庫県199人、大阪府194人など。待機児童を解消できなかった要因は、「保育人材の確保が困難(44.1%)」が最多回答となった。このほか、「申込者数の想定以上の増加、または計画していた利用定員数の不足(39.8%)」「保育需要の地域偏在(35.5%)」が上位にあがった。
一方、青森県、山形県、群馬県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、岐阜県、静岡県、鳥取県、島根県、広島県、徳島県、長崎県、大分県、宮崎県の17県は待機児童ゼロだった。受け皿整備などにより待機児童が減少する一方、過疎地域などの待機児童が少ない地域では定員充足率が低下している状況となっている。
こども家庭庁は今後、個別ヒアリングによる調査なども行い、各自治体における現状・課題を分析し、地域のニーズに応じた保育提供体制の確保を図る方針を示している。