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東京都のGIGA端末更新…共同調達で80億円超のコスト削減

 東京都教育委員会は2025年6月25日、公立小中学校における1人1台端末の更新について、共同調達により2か年で80億円を超えるコストを削減したと発表した。当初の予算額の約27%のコスト削減を実現しており、共同調達による大きなコストメリットの実例を示している。

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GIGA端末更新、共同調達により80億円を超えるコストを削減
  • GIGA端末更新、共同調達により80億円を超えるコストを削減
  • 共同調達により得られたコストメリット

 東京都教育委員会は2025年6月25日、公立小中学校における1人1台端末の更新について、共同調達により2か年で80億円を超えるコストを削減したと発表した。当初の予算額の約27%のコスト削減を実現しており、共同調達による大きなコストメリットの実例を示している。

 GIGAスクール構想により、2019年度から2021年度にかけて全国の公立学校に整備された1人1台端末。整備からおよそ5年が経つ中、故障の増加やバッテリーの耐用年数が迫るなど、端末を計画的に更新する必要があるとして、国は2024年1月に「都道府県での基金設置」および「都道府県を中心とする共同調達」の制度を整備した。GIGAスクール構想第1期では区市町村単位で調達していた端末を、都道府県が取りまとめる形で共同調達することで、スケールメリットを生かしたコスト削減や事務負担の軽減、DXの加速が期待されている。

 東京都教育委員会では、2024年3月に「東京都公立学校情報機器整備基金」と、区市町村教育委員会と共に共同調達を推進する会議体となる「東京都GIGAスクール推進協議会」を設置。2024年度および2025年度更新分の共同調達、約42万台を実施した(一部の自治体は、2025年度分の契約を今後締結予定)。

 その結果、2024年度・2025年度の1人1台端末の共同調達に参加した区市町村教育委員会全体で、約80.6億円のコスト削減を実現したという。調達年度ごとにみると、2024年度は3自治体が参加、予算額1.8億円に対し調達額1.1億円で、コストメリットは約7,000万円。2025年度は35自治体が参加し、予算額297.4億円に対し調達額217.5億円で、コストメリットは約79.9億円。2か年で得られたコストメリット約80.6億円は、予算額の約27%にのぼる。なお、2025年度分の調達額については一部予定を含んでいる。

 東京都教育委員会では、従来端末の重さや、子供たちが扱うことによる故障率の高さ、バッテリーの稼働時間に対する不安といった現場の課題を踏まえ、今回の共同調達による1人1台端末は、軽くて持ち運びがしやすいこと、頑丈であること、バッテリーが持続することなどの観点で端末を選定。結果、共同調達により、良質な端末をより安価に調達することができたという。今後も、区市町村教育委員会と連携し、更新後の端末を活用した、誰1人取り残さず、子供たちひとりひとりの力を伸ばすことができる教育を推進していくとしている。

《畑山望》

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