生成AI活用普及協会(GUGA)は2025年5月15日、「生成AIリテラシー診断 2025春」の開催結果を発表した。前回の2024年11月開催時に比べ、約1.5倍の2,221名が参加し、生成AI活用への関心やリスクへの危機感をもつ人が増えていることが明らかになった。
「生成AIリテラシー診断 2025春」は、2025年4月15日から17日にかけて開催された「NexTech Week 2025【春】」内「第9回AI・人工知能EXPO【春】」において、KIZASHIと共同でブースを出展して実施した。
「生成AIリテラシー診断」は、生成AIリスクを予防する資格試験「生成AIパスポート」の過去試験の受験者との比較を通じて、自身の生成AIリテラシーレベルを可視化できる診断企画。参加者には「生成AIリテラシー偏差値」と「リスク理解度」を示す診断書および「生成AIパスポート公式テキスト」が配布され、生成AIをより安全かつ効果的に活用するための第一歩を踏み出すことを目指している。
診断結果によると、生成AIリテラシー偏差値が49以下の参加者が約85%、リスク理解度が「C・D」評価に分類された参加者が全体の42%を占め、依然として多くの人々が生成AIリテラシーを十分に習得できていない可能性が示された。前回の実施結果とほぼ同様の傾向が続いており、生成AI活用への関心やリスクへの危機感をもつ層が増える一方で、生成AIリテラシーの向上やリスクに対する理解が十分に浸透していないことがうかがえる。
また、生成AIパスポートの有資格者と無資格者の診断結果を比較したところ、有資格者は偏差値50以上の割合が50%、リスク理解度「A・B」評価が78%であったのに対し、無資格者は偏差値50以上の割合が14%、リスク理解度「A・B」評価が58%にとどまり、学習経験の有無による差が浮き彫りになった。有資格者は生成AIパスポートの取得に向けた学習を通じて一般の人よりも高い生成AIリテラシーを習得し、受験後も定着している傾向にあることもわかった。
参加者からは、「普段から生成AIを使っているが、自分が何を理解できていて何を理解できていないかが可視化されることで、思わぬ気付きや学習意欲の向上につながった」や「社内の生成AIリテラシー不足に危機感を持っていた中で診断を体験し、『生成AIパスポート』を新人研修や社内教育、推進活動に組み込む具体的な検討を始めたいと思った」などの声が寄せられた。
GUGAは今後も、企業・人材が生成AIリスキリングの必要性に気付くきっかけを提供し、日本社会全体における生成AIリテラシーレベルの底上げに取り組むとしている。