日本私立学校振興・共済事業団は2025年3月18日、2024年度(令和6年度)の私立大学等経常費補助金交付状況の概要を公表した。2024年度の交付総額は2,979億7,468万7,000円。元理事長が背任容疑で逮捕された東京女子医科大学は、全額不交付となった。
私立大学等経常費補助金は、日本私立学校振興・共済事業団が国からの交付を財源として、学校法人に対して設置学校の経常的経費を補助するもの。補助金には、各学校の教職員数や学生数等に所定の単価を乗じて得た基準額を教育研究条件の状況に応じ傾斜配分する「一般補助」と、教育研究に関する特色ある取組みに応じ配分する「特別補助」がある。
2024年度の交付学校数は849校(大学588校、短期大学259校、高等専門学校2校)、交付総額は2,979億7,468万7,000円。このうち、一般補助は2,771億5,023万5,000円、特別補助は208億2,445万2,000円。学校種別の交付額は、大学が2,859億677万2,000円、短期大学が118億3,168万1,000円、高等専門学校が2億3,623万4,000円。
交付額を1校あたりに換算すると3億5,097万1,000円となり、学校種別では大学4億8,623万6,000円、短期大学4,568万2,000円、高等専門学校1億1,811万7,000円。交付額を学生1人あたりに換算すると14万4,000円となり、学校種別では大学14万4,000円、短期大学と高等専門学校が各15万1,000円となる。
特色ある高度な研究の展開や地域社会への貢献などの改革に全学的・組織的に取り組む学校に対する支援を強化するため、「私立大学等改革総合支援事業」として大学186校、短期大学39校の計225校に対し、一般補助と特別補助による増額配分を行った。
2024年度は、特別補助で「能登半島地震、梅雨前線、9月豪雨からの復興支援」を新設して配分。「少子化時代を支える新たな私立大学等の経営改革支援」を新たに設け、55校に配分した。
学校別交付額一覧によると、大学588校の経常費補助金は1位「早稲田大学」89億6,904万7,000円、2位「慶應義塾大学」88億5,327万7,000円、3位「立命館大学」59億9,002万円。
一方、募集停止や未完成などを理由に交付を行わなかった学校は大学38校、短期大学25校、高等専門学校2校の計65校。
東京女子医科大学には、学校法人の管理運営が適正を欠き、入学者選抜で不適切な事案があったことを事由に新規で不交付措置を講じた。前年度以前に減額または不交付措置を講じた法人・学校のうち、日本大学と東京福祉大学は不交付、工学院大学は50%減額交付を据え置き。山野美容芸術短期大学は75%減額交付、福井工業大学は50%減額交付に措置を緩和した。
日本私立学校振興・共済事業団のWebサイトでは、学校別の交付額一覧や特別補助内訳表も公開している。