中学生のうち1か月に1冊も本を読まない不読者の割合が23.4%と、前年度より10.3ポイント増加したことが2024年に実施した「第69回学校読書調査」の結果から明らかになった。2024年調査では小中高ともに本を読まない児童生徒の割合が前年より増加している。
学校読書調査は、全国の小・中・高校の児童生徒の読書状況を把握するべく、全国学校図書館協議会(全国SLA)が毎年実施している調査。第66回調査までは毎日新聞社との共催で調査を行っていたが、第67回調査以降は全国SLAが主体となって実施。2020年のみコロナ禍の影響で調査を中止している。
第69回調査は2024年6月第1・2週に、全国の小学生(4~6年生)3,308人、中学生(1~3年生)3,496人、高校生(1~3年生)4,604人を抽出して実施。2024年5月の読書状況などについて、7つの設問をもとに調査を行った。
5月1か月間の平均読書冊数は、小学生13.8冊(前年比1.2冊増)、中学生4.1冊(同1.4冊減)、高校生1.7冊(同0.2冊減)。学校段階が進むほど平均読書冊数は減る傾向にある。各学校段階の推移をみると、年々増加傾向にある小学生は2024年にさらに冊数を伸ばし、1994年からの過去31年間で最多の平均読書冊数に。中学生は、前年の過去最多冊数から一転、ここ数年でも低い水準となった。高校生はほぼ例年並みの読書冊数となっている。
5月1か月間に読んだ本が0冊という「不読者」の児童生徒の割合は、小学生8.5%(前年比1.5ポイント増)、中学生23.4%(同10.3ポイント増)、高校生48.3%(同4.8ポイント増)。前年に改善をみせた中高生の不読率も今回は増加に転じ、小中高で前年より不読率が増える結果となった。特に中学生では、2007年以降10%台にとどまっていた不読率がふたたび20%台超え、平均読書冊数の減少とあわせて読書離れが懸念される傾向がみられた。
第69回学校読書調査の結果概要は、全国SLAのWebサイトで公表。第69回調査で特設した「電子書籍の読書経験」「獲得したデジタル情報の正しさをどう確かめているか」「どんなときに本を読みたくなるか」などの調査項目も含め、全項目の結果と分析は、機関誌「学校図書館」2024年11月号(第889号)に掲載されている。