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教員8割超、外部人材活用で負担減…予算は不足

 文部科学省が教員の処遇改善を目指し教職員給与特別措置法(給特法)の改正案を示したことを受け2024年8月8日、トモノカイは全国の教員400人を対象に実施した意識調査の結果を公表した。改正案については、より具体的な負担軽減策を求める声が多い。

事例 その他
今回の給特法改正案の内容について一番近い考えはどれですか?
  • 今回の給特法改正案の内容について一番近い考えはどれですか?
  • 外部サポートはどのようなものを活用しましたか?
  • サポート活用後、教員の負担は減りましたか?
  • 外部サポートがこれまで活用できなかった理由は何ですか?
  • 学校現場で外部サポートの活用が進むために何が必要だと思いますか?

 文部科学省が教員の処遇改善を目指し教職員給与特別措置法(給特法)の改正案を示したことを受け2024年8月8日、トモノカイは全国の教員400人を対象に実施した意識調査の結果を公表した。改正案については、より具体的な負担軽減策を求める声が多い。

 意識調査は2024年7月24日~26日、全国の国公立・私立の中学校と高等学校で勤務する教職員を対象にインターネットリサーチで実施。有効回答数は400サンプル。

 まず、教員の残業代の代わりに基本給の4%を上乗せする「教職調整額」を10%以上にすることなどを盛り込んだ案で処遇改善を目指す今回の給特法改正案について、もっとも近い考え方を調査した。

 最多は、「『教職調整額10%以上』では足りない」で26.3%。また、「『教職調整額10%以上』より具体的な負担軽減策をメインに盛り込んでほしかった」13.3%や「人手不足を先に解消してほしい」23%、「『将来的に残業を月20時間程度に削減』の内容が具体的ではない」2.3%、「週休二日の確保を明示してほしい」3.3%といった負担軽減を求める意見が計41.9%にのぼった。

 民間企業らが提供する外部人材の活用は、51人が利用。活用したのは、「部活動運営・指導の委託」62.7%がもっとも多く、ついで「授業補助スタッフの派遣」31.3%や「放課後の生徒の指導支援」23.5%だった。サポートを活用後、教員の負担が減ったかを尋ねた設問では、「自分の負担は減っていないが同僚の負担は減った」43.1%、「心理的な負担が減った」27.5%、「残業時間が短くなり負担が減った」13.7%と、計84.3%が負担軽減を実感していた。

 一方、外部人材を活用しようとしたが、これまで活用できなかった、あるいは検討が進んでいないと答えたのは47人で、その理由最多は「予算が足りない」 57.4%だった。また、「指導やサポートの質に不安がある」38.3%、「校外との連携に不慣れでむしろ負担が増えてしまいそう」34%といった慎重な意見もみられた。さらに、学校現場で外部サポートの活用が進むためには何が必要かという設問にも、「サポートに費やせる学校予算の増額」と答えた人がもっとも多く62.8%にのぼった。

 今回の調査では、予算が足りずサポートの活用が進まないという意見が多くあがったが、現在は文部科学省の高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)採択校での外部人材サポート事例も出ている。

 トモノカイでは高校や中高一貫校に向けて、大学生メンターによる放課後学習支援など学校改革や教員の働き方改革をサポートする事業を展開。民間企業が提供する外部人材によるサポートで、教育の質を上げながら教員の負担軽減に寄与している。

《川端珠紀》

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