東京都教育委員会は2024年3月7日、「学校における働き方改革の推進に向けた実行プログラム」を策定した。4つの切り口から、9つの成果指標と目標値を設定。月45時間超の時間外在校等時間の教員割合を2027年度まで0%にするなど、具体的な目標を定め、各学校の働き方改革の取組みを加速させる。
東京都教育委員会は、2018年に「学校における働き方改革推進プラン」を策定し、外部人材活用やデジタル化などを推進。時間外勤務の状況は改善傾向にあるものの、依然として長時間勤務の教員が多いことから、集中的に取り組むべき具体的な対策を「実行プログラム」として取りまとめた。
実行プログラムの計画期間は、2023年度から2026年度までの4年間。位置付けは、都立学校教員の服務監督権者である都教育委員会の実施計画。区市町村立学校教員の服務監督権者である区市町村教育委員会による取組みの促進を目指す。
「教員の時間外在校等時間」「業務への負担・支援」「ライフ・ワーク・バランス」「仕事に対するやりがい」の4つの切り口から、9つの成果指標と目標値を設定。たとえば、時間外在校等時間1か月あたり45時間超の教員(副校長を含む)の割合は、現状では小学校38.2%、中学校49.9%、高校35.6%、特別支援学校25.5%だが、2027年度までの目標値「0%」の達成を目指して、不断の改革に取り組むとしている。
また、取組みの方向性には「学校・教員が担うべき業務の精査」「役割分担の見直しと外部人材の活用」「負担軽減・業務の効率化」「働く環境の改善」「意識改革・風土改革」の5つの柱を掲示。学校における働き改革の推進に向けた総合的な対策を講じていく。
具体的には、コンサルタントを活用した学校業務の精査や改善、副校長補佐など外部人材の配置拡充、小学校教科担任制の推進、教員の処遇改善の検討、在校等時間等の見える化などをあげている。
プログラムの策定にあたっては2023年11月から12月、「学校における働き方改革の推進に向けた実行プログラム」中間のまとめに対する意見を募集。学校関係者を中心に1,733件の意見が寄せられており、参考にしたという。
今後は、教員が健康で生き生きと子供たちと向き合うことができるよう、区市町村教育委員会と連携し、プログラムに基づき、各学校の働き方改革の取組みをさらに加速するとしている。