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強度行動障害「効果的な指導」報告書を発行…東京都

 東京都教育委員会は2024年2月、検討委員会による報告書「強度行動障害のある児童・生徒への効果的な指導の在り方」を発行した。障害特性を踏まえた効果的な指導や対応などについて、写真や具体例を交えて教職員向けにまとめている。

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強度行動障害のある児童・生徒への効果的な指導の在り方(表紙)
  • 強度行動障害のある児童・生徒への効果的な指導の在り方(表紙)
  • 強度行動障害のある児童・生徒への効果的な指導の在り方(目次)

 東京都教育委員会は2024年2月、検討委員会による報告書「強度行動障害のある児童・生徒への効果的な指導の在り方」を発行した。障害特性を踏まえた効果的な指導や対応などについて、写真や具体例を交えて教職員向けにまとめている。

 強度行動障害は、自分自身や周りの人を傷つけたり、物を壊したりといった行動が頻繁にみられる状態で、重度の知的障害をともなう自閉症の児童生徒に生じやすく、生まれもった障害とは異なり、学齢期から発生する傾向が強いとされている。

 国は2023年3月に「強度行動障害を有する者の地域支援体制に関する検討会報告書」を公表。障害者福祉分野からの支援のあり方を示すとともに、学齢期の対象者には教育分野とも連携した支援に取り組むことも重要としている。

 一方、東京都教育委員会は都立しいの木特別支援学校を2024年度末に閉校する方針を示している。今回、国の動向や同校閉校の方針を踏まえ、強度行動障害の効果的な指導について、これまでの実践を継承し、全都立特別支援学校で充実させていくため、専門家や学校で実際に指導にあたっている教員の協力を得て、指導のあり方を検討。報告書として取りまとめた。

 報告書は、「強度行動障害とは何か」から始まり、障害に対する基本的な考え方、場面ごとの適切な指導、重篤化させないための未然防止的な対応、緊急時の対応、保護者や外部機関との連携の6テーマで構成。「強度行動障害のある児童・生徒への各場面での適切な指導」では、通常の授業や学校行事、学習指導以外の時間での留意点について、強度行動障害の障害特性を踏まえた板書の仕方、見通しのもたせ方など、具体例や写真を交えて解説している。

 報告書「強度行動障害のある児童・生徒への効果的な指導の在り方」は、東京都教育委員会Webサイトからダウンロードできる。特別支援学校をはじめ、小学校・中学校・高校の教員、指導に携わる職員などに対し、報告書の内容を参考に指導の一層の充実を図ってほしいとしている。

《奥山直美》

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