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教育ICT市場のベンダーシェア、外資系が上位に

 ICT市場調査コンサルティングのMM総研は2023年10月12日、小中GIGAスクールにおけるICT環境のベンダーシェア分析結果を公表した。GIGA端末のOSシェア1位はGoogle。外資ベンダーがシェア上位を占め、この数年で勢力図が大きく変化している。

事例 ICT活用
GIGAスクール端末のOS別稼働台数シェア(n=902万台)
  • GIGAスクール端末のOS別稼働台数シェア(n=902万台)
  • GIGAスクール端末のOS別稼働台数シェア
  • 汎用クラウドツールの導入状況
  • 学習eポータルの導入状況
  • 小中GIGAスクールにおけるICT環境のベンダーシェア

 ICT市場調査コンサルティングのMM総研は2023年10月12日、小中GIGAスクールにおけるICT環境のベンダーシェア分析結果を公表した。GIGA端末のOSシェア1位はGoogle。外資ベンダーがシェア上位を占め、この数年で勢力図が大きく変化している。

 調査は、全国1,741自治体(市区町村に設置された教育委員会)を対象に、2021年1月~2023年5月にかけて6回にわたり、電話アンケート調査をした結果を突合分析したもの。

 GIGAスクール端末約902万台を分母に分析した結果、端末のOSシェア1位はGoogle「ChromeOS」42%、2位はMicrosoft「Windows OS」29%、3位は僅差でApple「iPadOS」29%がランクインした。MM総研は、ChromeOSがトップシェアとなった理由について、「もっともクラウド活用に適したOSと教育現場が評価したため」と分析している。

 次に、WindowsOSとChromeOSをOSごとの稼働台数をベースとしてメーカーシェアを分析した。その結果、ChromeOS端末(分母:約382万台)では、1位「NEC」30%、2位「Lenovo」23%、3位「HP」14%。Windows OS端末(分母は約261万台)は、1位「Lenovo」26%、2位・3位が同率で「dynabook」と「富士通」で22%となった。

 ただし、端末全体のメーカー別シェアは「Apple」がトップで、ついで2つのOSで高いシェアを占めた「Lenovo」、ChromeOSでトップシェアの「NEC」が続く。

 汎用クラウドツールは、自治体1,666団体を対象に分析した結果、導入率は94%にのぼった。1自治体が複数導入するケースを含め、「Google」が62%でもっとも多く、「Microsoft」44%が続いた。いずれも教育向けの製品を用意し、無償でも利用できることが導入に繋がったとみている。

 学習eポータルは、自治体1,578団体を対象に分析。1位はNTTコミュニケーションズ(製品名:まなびポケット)で36%、ついで内田洋行(製品名:L-Gate)34%、3位が文部科学省の開発委託事業を請け負ったオンライン学習システム推進コンソーシアム(製品名:実証用学習eポータル)20%となった。

 学習eポータルは、文部科学省が推進するMEXCBTのアクセス機能を有するため導入が進み、導入率は98%にのぼった。ただし、自治体の導入目的はMEXCBTの利用がメインであり、有償メニューを利用しているケースはまだ少ないという。

 校務支援システムは、自治体1,232団体を対象に分析。1位「EDUCOM」32%、2位「スズキ教育ソフト」26%、3位「内田洋行」8%となった。

 GIGAスクール構想以前の端末シェアは、国内ベンダーが主流であったが、この数年で勢力図が大きく変わり、端末メーカーや汎用クラウドツールにおいては外資ベンダーがシェア上位を占めた。一方で、学習eポータルや校務支援システムにおいては、国内ベンダーが高いシェアを維持していることが明らかとなった。

《川端珠紀》

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