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熊本大学、外国の児童生徒の教育を担う人材養成

 熊本大学は2023年9月13日、世界的半導体企業TSMCの進出に向け、外国籍の子供らの教育を担う教員人材の養成・研修体制を整備すると発表した。2023年度中に学校教員や教員免許保有者を対象に短期プログラムを開始。2024年度以降には、長期プログラムも開設する。

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「外国人材の受入れ・共生を支える教員等養成・研修プログラム」のイメージ
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  • 短期(履修証明)プログラムの研修内容

 熊本大学は2023年9月13日、世界的半導体企業TSMC(台湾積体電路製造)の進出に向け、外国籍の子供らの教育を担う教員人材の養成・研修体制を整備すると発表した。2023年度中に学校教員や教員免許保有者を対象に短期(履修証明)プログラムを開始。2024年度以降には、長期(専門職学位)プログラムも開設する。

 熊本県では、世界的半導体企業TSMCの進出を機に外国籍の子供、外国にルーツをもつ子供、母語が日本語以外の子供など「外国につながる児童生徒」の教育の充実が急務となっているが、知識や技能を有する人材が不足している。

 そのため、熊本大学大学院教育学研究科は、文部科学省の「令和4年度(2022年度)成長分野における即戦力人材輩出に向けたリカレント教育推進事業」の指定を受け、県・市教育委員会、NPO法人などと連携。短期(履修証明)プログラムのパイロット実施を契機として、外国につながる児童生徒の教育を担う教員などの養成・研修の体制構築を進める。

 まずは短期(履修証明)プログラムとして、2023年9月から2024年9月までの1年間、「外国人材の受入れ・共生を支える教員等養成・研修プログラム」を開講する。対象は、学校教員や教員免許保有者約20人。9月30日には、キックオフシンポジウムを熊本市内で開き、プログラムの一部を公開し、新たな取組みを紹介する。なお、プログラム、シンポジウムとも募集受付はすでに終了している。

 プログラムでは、子供の実態の把握や日本語・教科の力の育成など「外国につながる児童生徒の教育」48時間、日本語教育拠点校での実習として「教育実践研究」12時間の合計60時間を履修。外国につながる児童生徒の教育を理解し、日本語指導の担当教員や支援員、保護者、地域などと連携し、多文化共生の視点で良好な学校・学級をつくり、子供同士の関係づくりに貢献できる教員らの養成を目指す。修了者には履修証明書を交付する。

 2024年度以降には、長期(専門職学位)プログラムも開設。教職大学院・教育学部・附属学校の連携に基づく教員養成・研修カリキュラムの国際化、外国につながる児童生徒の教育ネットワーク構築を計画している。

《奥山直美》

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