大学入試センターは2025年6月27日、1月18日・19日に実施した2025年度(令和7年度)大学入学共通テスト本試験の問題について、高校等教員らで構成される評価・分析委員会による報告書を公開した。総合的な評価は「試験問題として適切」と分析した。
大学入試センターでは、大学入学共通テストの試験問題の評価・分析を行うために、高校教員からなる外部評価分科会と、試験問題を作成した問題作成委員からなる自己点検・分析・評価分科会の2つの分科会で構成された大学入学共通テスト問題評価・分析委員会を設置。評価結果を次年度以降の問題作成に活用している。
外部評価分科会の評価(高等学校教科担当教員の評価)は、項目別および総合的観点から適切であったかを「4(あてはまる)」~「1(あてはまらない)」の4段階で設定。総合評価「3」は、「地理総合・地理探究」「化学」「ドイツ語」「韓国語」の4科目で、そのほかの科目はすべて「4」と評価された。
項目別では、「出題のねらい」「出題範囲 」「題材」「問題の場面設定」「問題構成」「表現・用語」「難易度」「得点のちらばり」の8項目を4段階で評価。あまり適切でない「2」と評価されたのは、「化学」の難易度と、「韓国語」の出題のねらい・問題構成のみで、そのほかの教科は全項目で「3」または「4」と評価された。
「化学」の難易度は、思考力や判断力等を要する問題が多く、難易度が高すぎると指摘。「韓国語」は、第1問Aが例年の指摘にもかかわらず思考力を問う問題になっていないこと、また問題構成では第1問と第4問の改善を求めた。
新教科「情報I」については、表現・用語が「3」と評価されたものの、ほかの7項目はすべて「4」で、総合評価も「4」。学習指導要領において「情報I」で育成すべき資質・能力を適切に測ることができる問題であった。また、共通テスト「情報I」の問題作成方針に記載されていた通り、問題の発見・解決に向けて考察する力を問う問題が多く含まれていたと高く評価された。
このほか、大学入試センターのWebサイトでは、追・再試験の問題評価・分析委員会報告書も公開している。