児童書出版業界を代表する学研ホールディングス(学研HD)とポプラ社が、2023年5月12日に業務提携契約を締結した。業務提携を通じて、子供向け出版事業の強化だけでなく、グローバル・IPビジネスの協働展開に取り組み、国内だけに留まらずグローバル展開も見据えた多面的な協業を推進する。
学研HDは、教室・学習塾運営、出版、園・学校支援をはじめとする教育事業を牽引する企業。ポプラ社は、1947年の創業以降、児童書専門の出版社として長年にわたり人生の糧となるような良質の本を届けている児童書のリーディングカンパニー。現在は海外展開やIP事業の推進、2021年度からは教育ICTサービスにも参入している。
両社が事業展開する子供向け出版事業を取り巻く環境が大きく変化する中、将来を担う子供たちに「ワクワクする読書体験」と「良質な学び」を提供することを通じて、心豊かに生きられる社会の実現に貢献したいとの想いから、今回、学研HDとポプラ社は業務提携に基づく共同関係を構築することで合意。両社が有する子供向けコンテンツやIP、ユーザータッチポイントを組み合わせ、国内外を問わず新たな価値を創造・提供すると共に、読書・学び環境の向上や出版流通の維持強化に資することを目指す。
今後、グローバル・IPビジネスの協働展開においては、学研グループが保有する絵本や児童書、学びのコンテンツと、ポプラ社の豊富な児童向けコンテンツ・キャラクターIPとを組み合わせ世界中に届けることを目指す。グローバル展開では、両社の中国拠点が連携し中国展開を加速化させると同時に、ベトナムを始めとする東南アジアや中東での幼児教育を軸にした協働を推進。出版事業においても、北米・欧州版権ビジネスの協働展開を図る。
加えて、書店プロモーションの共同実施や、DXも活用した物流・マーケティング等の改革に協働で取り組み、多様化する読書と学びのニーズに応えるべく出版をはじめとした既存事業のさらなる成長を図る。また、幼保園・学童保育・学校・学研教室・塾といった学研HDがもつ顧客とのリアルなタッチポイントを活用し、出版ビジネスにおける新たな販路開拓にも取り組むとしている。