教育業界ニュース

富士ソフト、デジタル庁の調査研究事業の結果を報告

 富士ソフトは2023年4月28日、デジタル庁の調査研究事業の結果を報告した。膨大な教育デジタルコンテンツを、効率的かつ有効に活用するための学習指導要領コードとの紐づけやAIプロトタイプの実証を公開した。

教材・サービス その他
望ましい将来に向けたアーキテクチャの提案
  • 望ましい将来に向けたアーキテクチャの提案
  • 膨大な教育デジタルコンテンツを効率的かつ有効に活用するための学習指導要領コードとの紐づけやAIプロトタイプの実証

 富士ソフトは2023年4月28日、デジタル庁の調査研究事業の結果を報告した。膨大な教育デジタルコンテンツを、効率的かつ有効に活用するための学習指導要領コードとの紐づけやAIプロトタイプの実証を公開した。

 本事業は、教育デジタルコンテンツとして利用可能な電子書籍や動画、画像等のデジタルコンテンツを学校等で利用するための環境を整備することが目的。富士ソフトは2022年7月、デジタル庁の「教育における広域なデジタルコンテンツの利活用環境の整備に向けた調査研究」の事業者に採用されたことを受け、2022年8月~2023年3月にかけて調査を実施した。

 実証結果報告では、「学習指導要領コードとの対応付け調査」「メタデータ自動付与システムプロトタイプの開発と検証」「コンテンツ検索APIプロトタイプの開発と検証」について公開。また、今後解決すべき課題についても明らかにした。

 「学習指導要領コードとの対応付け調査」では、発達段階や教科に分けた学習指導要領コードと国立国会図書館サーチ等の「デジタル書籍」、JAPAN SEARCH等の「デジタル画像」、STEAM Library等の「デジタル動画」との紐づけを調査し、結果を報告。社会の画像の紐づき数は多いが他教科は少ないこと、「STEAM Library」は中高の内容が中心であること等の傾向がわかったという。

 「メタデータ自動付与システムプロトタイプの開発と検証」では、教育デジタルコンテンツに対する学習指導要領コード等の紐付けについて、AIを用いたメタデータ自動付与システムのプロトタイムの実証を行った。コンテンツの中には、中学校の社会科と高等学校の地理や歴史、小学校の図画工作と中学校の技術家庭等、似た内容を含むものがあり、普通校で適合率75%ほどだったという。今後、将来的に実装コードが公開されることを見据え、再学習を行うための実装の必要性が確認できたという。

 「コンテンツ検索APIプロトタイプの開発と検証」では、コンテンツ検索システム等の方式設計や開発、検証とともに、作成したAPI・画面を学習プラットフォーム事業者や国立付属小中校教員、文科省・経産省の担当者等に限定公開し、ヒアリングを実施した。教育に特化した用語の考慮や、より自然で柔軟な入力を許容できるようにする等、検索条件設計の改良の検討や、教育デジタルコンテンツとして教育の現場で有益とされる素材の増補が必要等、今後の課題があげられたという。

 最後に、将来に向けた教育デジタルコンテンツの利活用について、ガイドラインやルールの検討、データの標準化やオープン化と有益なコンテンツの増補、コンテンツ紐づけの改善、情報システム基盤の整備等の課題があり、さまざまなステークホルダーや関係省庁との情報共有や連携が必要となることを確認。望ましい将来に向けたアーキテクチャとして、国の関与により民間分野への波及効果を引き出し活性化させることで、利用者ニーズに応じたサービス提供につなげ、そのためには産官学民の合意形成が重要等とした。

 なお、本事業に関する富士ソフトの取組みについては5月10日、東京ビッグサイトで開催予定の教育総合展(EDIX)において、プレゼンテーションステージでも報告される。

◆デジタル庁事業教育における広域なデジタルコンテンツの利活用環境の整備に向けた調査研究報告
日時:2023年5月10日(水)11:40~12:00
会場:東京ビッグサイト 西展示棟 富士ソフトブース プレゼンテーションステージ

《木村 薫》

この記事はいかがでしたか?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top