学校に寄せられるさまざまな相談やクレーム。保護者や地域からの相談に先生はどのように対応するのが良いだろうか?クラス担任として豊富な経験がある鈴木邦明氏に、学校へ寄せられるさまざまな相談に対応する際のポイントを聞いた。第127回のテーマは「教師の威圧的な行動が怖い」。
学校でのトラブルの原因が
「教師」であることが多い
学校に子供が馴染めないという場合、原因は学校(教師)にあることが多いです。もちろん、家庭や社会などに問題があることもありますが、学校(教師)を原因とすることが多いです。不登校に関する調査では、学校(教師)が答える調査では、主原因は「子供のこと」であることが多いです。しかし、子供や家庭(親)が答える調査では、主原因は「教師のこと、学校のこと」であることが多いです。学校におけるさまざまなトラブルの発生原因の少なくないものが「教師」であるということを認識した方が良いでしょう。
近年、暴力的な指導(体罰)をする教員は学校現場からほとんどいなくなりました。学校の色々な場面(授業中、部活指導中など)で、教師が熱くなり、子供に手を出してしまったという事例は、マスコミなどで報道され、処分がされていきました。SNSなどの発達もあり、1つの教室で起こった出来事でも問題のある行動は公になることが多いです。研修なども頻繁に行われています。そういったこともあり、ぶったり、蹴ったりという「体罰」は減っているのが事実です(残念ながら、完全には無くなっていないでしょう)。
しかし、教師がぶったり、蹴ったりほどではないけれども、強い口調で子供に指示を与えているような場面は今でも至る所で見られます。学級という集団をまとめていくうえで、どうしても少し強い口調でないといけない場面があるのは承知しています。ただ威圧感を頻繁に使い、そういったもので集団をコントロールしていこうとするやり方は間違っているでしょう。
小学校の学級や中学校の部活でパワハラ的指導が起こりやすい
学級などにおける「パワハラ的指導」は、学習心理学では「恐怖の条件付け」とされます。脳の中枢神経を刺激します。ドイツの精神科医であるアリス・ミラーは、そういった指導法を「ダークペダゴジー(闇の教授法)」と呼んでいます。そのダークペダゴジーが起こりやすい状況が「学校」なのだそうです。特に「小学校の学級」と「中学校の部活」で起こりやすいとされています。学校以外では監獄、捕虜収容所、入院病棟などで起こりやすいとされています。
そこまで大袈裟なことでなくとも、子供から「威圧的」と受け止められてしまったら学校(教師)としては良くないと思います。こういったことは受け手がどのように感じるのかということが重要です。教師はそういったつもりではなかったとしても、子供がそのように受け取るようではやはりまずく、新年度は子供との信頼関係が出来上がっていない場合が多いです。そういった状況では、少しの言い間違いなどが子供に大きく影響を及ぼすこともあります。
また、新年度で忙しい状況では、子供への関わりにも余裕がない時があります。やらなくてはならないことをこなそうとする思いからつい強い言い方になってしまうこともあります。特に新年度のスタートの時期には気を付けたいです。
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