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国内eラーニング市場、2023年度3,773億円予測…矢野経済研究所

 矢野経済研究所は2023年4月11日、国内eラーニング市場に関する調査結果を発表した。2022年度は前年度比4.3%増の3,705億円で、BtoB・BtoC市場いずれも市場が拡大。2023年度の市場規模は、3,773億円(前年度比1.8%増)と予測した。

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eラーニング市場規模推移・予測(矢野経済研究所調べ)
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 矢野経済研究所は2023年4月11日、国内eラーニング市場に関する調査結果を発表した。2022年度は前年度比4.3%増の3,705億円で、BtoB・BtoC市場いずれも市場が拡大。2023年度の市場規模は、3,773億円(前年度比1.8%増)と予測した。

 調査は2023年1月~3月、eラーニングのシステム開発・構築・販売事業者およびコンテンツ開発・製作・販売事業者、eラーニングを介した研修や講義を提供・運営する事業者や学習ソフトウェア開発・製作・販売事業者等を対象に実施。調査結果は「2023 eラーニング/デジタル教育ビジネスレポート」として2023年3月27日に発刊している。

 2022年度の国内eラーニング市場規模は、提供事業者売上高ベースで前年度比4.3%増の3,705億円。内訳は、法人向け(企業・団体内個人を含む)のBtoB市場規模が1,075億円(前年度比10.7%増)、個人向けのBtoC市場規模が2,630億円(同1.9%増)で、両市場共に引き続き市場が拡大。ただし、コロナ禍を背景に大きく市場を拡大させた2020~2021年度と比較すると成長率は鈍化しており、特にBtoC市場の伸びに落ち着きがみられている。

 近年、DXが推進される社会環境もあって、これに対応した人材育成の必要性の高まりからリスキリングが注目を集めている。リスキリングは、個々の学習者のレベルに応じた学習の提供が求められることや、働きながら新たな知識・スキルを習得する必要があることから、eラーニングとの親和性が高い。そのため、今後はリスキリングをキーワードとした需要が高まり、学習機能だけでなく、これらに対応したサービス提供も増加していくと考察している。

 2023年度の国内eラーニング市場規模については、前年度比1.8%増の3,773億円と予測。BtoB市場は、企業のDXやリスキリングを求める需要が牽引する形で、引き続き堅調に推移。ただし、顧客の裾野拡大による小規模導入の増加からなる顧客単価の下落の進行や、競合状況の激化、対面教育の復調によるeラーニング利用機会の縮小等の影響により、引き続き市場拡大となるものの、その伸びは鈍化傾向に進むものと予測した。

 一方、BtoC市場は、コロナ禍の沈静化によって全般的に需要の落ち着きが想定されるものの、学習ツールとしてeラーニングの一般化が進んでいることや、学習塾を中心に講師・指導者の人的リソースをeラーニングでカバーする需要は引き続き堅調な推移が考えられること、働き方がリモートワークに代わったことで生じた余暇時間を学習にあてる社会人の増加が一般的にもみられていること、eラーニングを組み込んだ学習サービスの増加によってサービスの多様化が進行していること等を受けて、微増ながらも拡大を予測している。

《川端珠紀》

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