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東京書籍「クラウド版デジタル教科書」研究報告書を公開

 つくば市教育委員会、東北大学大学院 情報科学研究科 堀田龍也研究室、東京書籍およびLentranceは、学習者用デジタル教科書から得られる学習履歴の活用による指導改善や、評価への活用の実現に向けた実証研究を実施。2022年12月27日に、2021年度調査報告書を公開した。

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東京書籍:2021年度調査報告書
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 つくば市教育委員会、東北大学大学院 情報科学研究科 堀田龍也研究室、東京書籍およびLentranceは、学習者用デジタル教科書から得られる学習履歴の活用による指導改善や、評価への活用の実現に向けた実証研究を実施。2022年12月27日に、2021年度調査報告書を公開した。

 GIGAスクール構想による学習者用端末と学習者用デジタル教科書の普及に対応し、つくば市教育委員会、東北大学大学院 情報科学研究科 堀田龍也研究室、東京書籍およびLentranceは、2021年10月より学習者用デジタル教科書から得られる学習履歴の活用による指導改善や、評価への活用の実現に向けた実証研究を実施。実証研究は、義務教育学校を含むつくば市立小学校7校と中学校5校で行われた。実施期間は2021年10月~2022年3月末。

 先行開発版の「Lentrance」および「Lentrance Analytics」を用いて、学習履歴データを収集・分析した。実施教科は小学校1~6年の国語、4~6年の社会、3~6年の保健と、中学校1~3年の英語、技術・家庭。このうち、小学校社会4年と中学校英語1年については、詳細な調査を実施した。

 調査項目は、「学習者用デジタル教科書の使用が児童生徒の学習に与える影響の検証」と「学習履歴データの活用による学習行動の可視化」。

 まず、「学習者用デジタル教科書の使用が児童生徒の学習に与える影響の検証」の結果は、10月の学習者用デジタル教科書使用開始直後と4か月後2月に実施したReading、Listeningの英語力調査では、すべての指標で2回目が1回目を上回る結果となった。

 また、「学習履歴データの活用による学習行動の可視化」の結果では、学習履歴データから教育委員会が実施した研修会後は、操作回数、ユーザ数共に増えているようすが確認できた。そのため、学習者用デジタル教科書の活用の推進のためには、導入するだけではなく研修会等で活用の仕方を周知していくことが重要であることがうかがえる。

 今後は、これまで取得したデータをもとに、実際の使用場面や教員の指導法・働きかけとも照らしあわせ、学習上の意味のある操作と意味のない操作の峻別や、学習者の行動パターンの類型化等、学習履歴データから学習のようすや学習者の特性を明らかにしていく手法の研究を進めていくという。

 分析結果による新しい知見に関しては、東北大学 堀田研究室を中心に、学術研究としても公表していく予定。また、教科書の内容向上や学習者用デジタル教科書の使いやすさの向上等にも役立てていくとしている。

《いろは》

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