大阪府は2022年12月2日、学校施設における送迎バス内の置き去り事案について独自に調査した結果を発表。直近6年の内、府内で19件の置き去り事案が発生し、置き去り時間の最長は90分であることが明らかになった。該当する施設名称は公表しない方針。
9月に静岡県の認定こども園で3歳の園児がバス車内に置き去りにされ犠牲となった事件を受け、大阪府では過去に同様の件がなかったか独自に調査を実施。府内の保育施設、公私立幼稚園、障がい児通所支援事業所、放課後児童クラブ、府立支援学校あわせて4,267施設を対象に、2017年(平成29年)4月から現在までに送迎バス内への置き去り等に関する調査を行なった。
結果、保育施設4施設、私立幼稚園7施設、障がい児通所支援事業所5施設、府立支援学校3施設の計19施設で置き去り事案が発生していたことが判明。いずれも児童生徒の健康被害はなかったという。
置き去り時間がもっとも長かったのは90分。2021年11月に認定こども園で発生した案件で、当日園で催しがあり、普段と異なる登降園や保育室等の状況で送迎バス内の確認が漏れ、職員が推測で出欠状況を判断したことにより送迎バス内に園児が置き去りにされた。置き去りは催しから戻った際に判明したという。
この他、添乗員が⾞内確認したが⾒落としに気付かないまま次のコースに出発したケースや、バス⾞内で寝ている児童⽣徒が降⾞できていないことに気付かず⾞庫に向かい、朝の出⽋確認時に登校していないことが判明し教員が捜索したことで発⾒にいたったケース等が発生している。
大阪府は、置き去りが発生しやすい状況として、寝ている子供がいる場合や、行事等普段と異なる状況下での職員間の引継ぎが上手く連携できないケースを指摘。事案の共有を図ることで各施設内への一層の注意喚起を求めている。各事案の詳細は大阪府のWebサイトで確認できる。