文部科学省は2022年11月23日、2020年度(令和2年度)の大学における教育内容等の改革状況について公表した。学部段階で一部科目の評価をルーブリックで明示する大学は、2016年度117大学(16%)から224大学(30%)と約2倍に増加した。
大学における教育内容等の改革状況調査は、大学の教育内容・方法に関する改善等の実施状況を定期的に調査し国民へ情報提供することで、各大学のより積極的な教育内容等の改善に関する取組みを促すもの。2020年度は国公私立795大学のうち、775大学が回答。そのうち学部段階の母数は、国立82大学・公立88大学・私立581大学の計751大学。
近年、各大学での取組みが進められており、前回2016年度調査以降に進展があったものは、カリキュラム編成の工夫が2項目・成績評価の工夫が1項目。
カリキュラム編成上の工夫としては、授業科目に適切な番号を付し分類する「ナンバリング」が、2016年度316大学(43%)から2020年度511大学(68%)へと増加。また、異なる授業科目で教える内容の重複を避けるため、教員間で授業科目の内容調整を行っている大学も、2020年度463大学(63%)から2020年度490大学(65%)へと増加した。
成績評価の工夫としては、学習評価に「ルーブリック」を活用する大学が増加。ルーブリックを学部段階の一部科目の評価に使用する大学は2016年度117大学だったが、2020年度は224大学に増え、5年間でおよそ2倍となった。ルーブリックとは、評価水準である「尺度」と尺度を満たした場合の「特徴の記述」で構成される学修評価基準の作成方法。近年、ペーパーテストの評価に代わる新たな評価方法として活用する大学が増加しているようだ。