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小中高のいじめ過去最多…ネットいじめ2万件超え

 2021年度の小中高等におけるいじめの認知件数が61万5,351件と過去最多となったことが、文部科学省が2022年10月27日に公表した「2021年度(令和3年度)児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」で明らかになった。

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 2021年度の小中高等におけるいじめの認知件数が61万5,351件と過去最多となったことが、文部科学省が2022年10月27日に公表した「2021年度(令和3年度)児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」で明らかになった。ネットいじめ件数は初の2万件超え。

 「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」は、児童生徒の問題行動等について、全国の状況を調査・分析することにより、教育現場における生徒指導上の取組みのより一層の充実に資すること等を目的として、文部科学省が毎年調査しているもの。調査対象は、国公私立小・中・高校・特別支援学校、都道府県・市町村教育委員会。

 小・中・高校、特別支援学校におけるいじめの認知件数は、前年度比9万8,188件増(19.0%増)の61万5,351件。コロナ禍で子供たちの接触機会の減少に伴い2020年度は全校種で大幅に減少したが、学校や部活動の活動再開に伴いふたたび増加。過去最多の認知件数となった。この内、いじめの重大件数は705件。コロナ前の2019年度をわずかに下回ったものの、前年度比191件増。

 タブレットやパソコン、スマートフォンによるひぼう・中傷等の認知件数は前年度比3,030件増の2万1,900件。GIGAスクール構想下での1人1台端末の整備等により、ネットいじめの増加が社会問題になる中、今回初めて認知件数が2万件を超えた。

 小・中学校における長期欠席者数は、前年度比12万6,003人増の41万3,750人。このうち不登校によるものは前年度比4万8,813人増の24万4,940人、新型コロナウイルスの感染回避によるものは前年度の2倍以上に増え5万9,316人だった。不登校児童生徒数は9年連続で増加し、過去最多となっている。

 高校における長期欠席者数は前年度比3万7,705人増の11万8,232人。このうち不登校によるものは前年度比7,934人増の5万985人、新型コロナウイルスの感染回避によるものは前年度より3,006人増え1万2,388人だった。

 小中高校から報告のあった自殺した児童生徒数は、前年度比47人減の368人。調査開始以降最多となった前年度から減少したものの、小中学生では増加傾向にある。自殺した児童生徒が置かれていた状況(複数回答可)については、「不明」が213人で最多。この他、「家庭不和」46人、「父母等の叱責」38人、「精神障害」34人、「進路問題」30人、「友人関係(いじめを除く)」24人等が続いた。

 文部科学省は、新型コロナウイルス感染症による生活環境の大きな変化が子供たちの行動等にも大きな影響を与えていると分析。個々の児童生徒の状況に応じた必要な支援を講ずるため、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等の教育相談体制の充実を推進している他、未然防止と早期発見・早期対応の取組みを家庭・学校・地域ぐるみで進めるべく子供たちのSOSを受け止める体制構築を図っている。


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《畑山望》

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