「2030年に向けた数理科学の展開-数理科学への期待と重要課題-」は、科学技術・学術審議会基礎研究振興部会での検討等を踏まえて策定したもの。なお、「数理科学」とは「数学」を含む。
数理科学については、デジタル革新(DX)を加速し、新たな価値創造の原動力になっているとし、「デジタル×数理科学」「AI×数理科学」「通信×数理科学」「経済×数理科学」の現状や足跡を解説。2030年に向けた数理科学への期待、重要課題への取組みを示している。
重要課題には、「ビジョン共有型の基礎科学振興」「世界トップレベルの数理科学の探求拠点」をはじめとした5つをあげ、「数理科学イニシアティブ会議(仮称)」の設置等、具体的な施策展開も盛り込んでいる。2021年までの数理科学の振興に関するおもな取組みの変遷をまとめた年表もある。
2021年までの数理科学についても、幅広いデータをもとに分析。全体の研究力は「世界トップレベルを維持しているものの、論文数の世界順位(相対的な指標)は低下傾向」、大学の産学連携については「着実に活発になってきている」等と現状や課題をまとめている。東北大学や京都大学等、数理科学と異分野融合・産学連携研究の代表例も掲載。参考資料として、米国・英国・中国の数理科学の振興戦略の動向についても紹介している。