立命館とatama plusは2022年3月29日、立命館大学の2023年度入試において、受験前に各学部が指定する単元を「atama+」で学習・修得してから臨む新たな総合型選抜(AO選抜入学試験)について発表した。学部ごとに単元の学修を出願要件に取り入れた入試、また「atama+」を活用した入試は全国初となる。 立命館とatama plusは、2020年12月に設立した「新しい高大接続と入試の在り方を考える共同研究会」の報告会見を3月29日に実施。その中で、2023年度入試より立命館大学で開始する、AI学習システムを活用した総合型選抜の概要を発表した。 立命館大学は、科目ごとの総合的な基礎学力を前提としつつ、大学での学びで特に重要な基礎学力は科目レベル(例:数学I、数学A等)ではなく、単元レベル(例:二次関数、確率等)で学部学科ごとに異なる点に着目。今回、その重要な単元の学力を確認しつつ、アドミッションポリシー・入試企画として受験生に発信する方法として、AI学習システム「atama+」を活用した総合型選抜を新たに実施することを決定した。 新たな総合型選抜では、立命館大学とatama plusが提供する「学部指定単元AI学習プログラム(通称:UNITE Program)」を通じて、受験生が各学部が指定する教科の単元を学習・修得することが出願要件の1つとなる。AIがひとりひとりの習熟度を分析し、個別最適化した学習を提供するatama+の特性を生かし、受験生は効果的かつ実質的に単元ごとの基礎学力を修得するだけでなく、高校までの学びが大学入学後の学びにどうつながるのか具体的にイメージをもち、入学後の大学での学びへスムーズに適応することが可能になるという。 2023年度のUNITE Programで対象となる教科は「数学」のみ。対象学部は、学部の専門分野を学習するために数学的素養が非常に重要となる、経済学部・スポーツ健康科学部・食マネジメント学部(いずれも立命館大学びわこ・くさつキャンパス)で導入する。プログラムの出願人数は制限を設けず、プログラムの出願・受講は無料。期間中は何度でも繰り返して学習でき、指定単元の修得確認試験を合格した受験生のみが総合型選抜に出願可能となる。 また、総合型選抜合格者には、atama+を活用した入学前教育も実施。立命館大学で実施する多様な入試方式の中でも、特に学部での学びでリーダーシップを発揮する、数学的素養、データリテラシーをもつ(もつ意欲のある)学生の入学を求める。UNITE programについては、4月1日開設予定の特設サイトで順次発表予定。◆立命館大学「学部指定単元AI学習プログラム(UNITE program)」開始年度:2023年度入試(2023年4月入学)の総合型選抜(AO選抜入学試験)科目:数学I、数学A、数学II、数学B実施学部:経済学部(経済専攻)、スポーツ健康科学部、食マネジメント学部対象:2023年3月31日までに高等学校等を卒業・卒業見込みの生徒募集人数:2022年6月下旬入学試験要項にて公開予定※プログラムの出願人数は無制限受講費:プログラムの出願・受講ともに無料※プログラムの学習結果は入試の合否には影響しない