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【相談対応Q&A】新年度のことで相談したい

 3月から4月は親にとっても子供にとっても不安のある時期です。4月からの新しい環境が子供にとって良いものとなるかについて不安を抱いていることがあるからです。

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 学校に寄せられるさまざまな相談やクレーム。保護者や地域からの相談に先生はどのように対応するのが良いだろうか?クラス担任として豊富な経験がある鈴木邦明氏に、学校へ寄せられるさまざまな相談に対応する際のポイントを聞いた。第73回のテーマは「新年度のことで相談があるのですが…」。

3月から4月は重要な時期


 3月から4月は親にとっても子供にとっても不安のある時期です。4月からの新しい環境が子供にとって良いものとなるかについて不安を抱いていることがあるからです。

 3月から4月における「別れ」と「出会い」によって、子供は成長していきます。ただ状況によっては、環境の変化が原因となって、リズムを崩し、心身共に不調に陥ってしまうこともあります。3月から4月は子供にとっても、親にとっても、教師にとっても、重要な時期となります。

 学校では2月末から3月にかけて新しい学年のクラス編成を行います。そういったことはもちろん親も承知しています。そういったタイミングで親から「新年度のことで相談があるのですが…」という連絡があることがあります。予想される相談内容としては、「〇〇さんと一緒のクラスにしないでほしい…」「〇〇先生が担任にならないようにしてほしい…」等のものです。そういった要望を聞き、「わかりました。そのようにします」と言ってしまったら、問題となってしまいます。「言ったもの勝ち」のような状況になり、他の親も次から次へと言ってくるようになってしまいます。

親からの情報提供を積極的に受ける


 ただ、この時期には親からの色々な情報提供は積極的に受けた方が良いと私は思っています。小学校等におけるクラス編成は前年度の担任がさまざまなことを考慮しながら作っていきます。1年間見てきたことを総合的に判断してクラス編成を行います。それなので、ある程度はバランスの取れたクラス分けができることがほとんどです。そう言った中で、例外が1年生です。十分な情報がない中でクラス編成をしなければならないので、組み合わせのミスのようなことが起こる可能性が高くなります。そういったことを踏まえ、入学式後の4月のクラス分けは仮のクラスとし、連休明けの5月に再度、正式なクラス分けをするというやり方をしている小学校もあります。

 私はこの時期に保護者から担任へ色々な要望を言ってもらうことは良いことなのではと考えています。担任は子供のことをよく見ていますが、それがすべてではありません。見ているのは、学校にいる時の姿です。放課後に遊んでいる時やスマホ等でSNS等をしている時のことはわからないことも多いです。
 そういった担任から見えていない部分の情報も含めて、親から色々なことを聞くことはプラスに働きます。トラブルを未然に防ぐことにつながります。私は小学校の担任だったころ、3月の懇談会の折、「クラス分け等に配慮できるかどうかはわからないけれども、何か心配なことがあれば、是非とも伝えてほしい」と言っていました。実際、私が知らないような子供同士のトラブルや親同士のトラブルについて教えてもらったこともありました。そういった情報があれば、配慮することも可能です。知らなければ配慮もできません。情報はたくさん入手しておいた方が参考になります。

 本企画では、読者の皆さまからの質問を受け付けています。下記のボタンをクリックして表示されるフォームより送信ください。実際に学校へ寄せられた相談の他、保護者が学校へ伝えた相談等、鈴木先生に対応方法を聞いてみたい相談事例を募集します。

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《鈴木邦明》

鈴木邦明

帝京平成大学 人文社会学部児童学科 准教授。1971年神奈川県平塚市生まれ。1995年東京学芸大学教育学部卒業。2017年放送大学大学院文化科学研究科修了。神奈川県横浜市と埼玉県深谷市の公立小学校に計22年間勤務。2018年からは帝京平成大学において教員養成に携わっている。「学校と家庭をつなぐ」をテーマに保護者向けにも積極的に情報を発信している。

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