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相模原市、6者によるデジタル教科書を活用した共同研究スタート

 神奈川県相模原市教育委員会は、ネットワンシステムズ、大日本印刷(DNP)、光村図書出版、Sky、放送大学の6者によるデジタル教科書を活用した共同研究を開始。デジタル教科書を中心とした新たな授業方法による国語科の学習活動と学習履歴データの活用に関する研究を行う。

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共同研究の概要(イメージ)
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 神奈川県相模原市教育委員会は、ネットワンシステムズ、大日本印刷(DNP)、光村図書出版、Sky、放送大学の6者によるデジタル教科書を活用した共同研究を開始した。デジタル教科書を中心とした新たな授業方法による国語科の学習活動に取り組み、そこで得られた学習履歴データの活用に関する研究を行う。

 GIGAスクール構想による1人1台端末環境下におけるICT教育が本格的にスタートし、学習者用デジタル教科書や付属するデジタル教材の活用について議論が深まっている。光村図書出版では、2002年よりデジタル教科書の研究・開発・普及に取り組んでおり、現在、指導者用デジタル教科書は全国の多くの学校に活用されている一方、学習者用デジタル教科書は2017年の先行発行以降、各地で実証研究を進めている状況だという。

 今回の共同研究では、相模原市教育委員会が取り組む「GIGAスクール等オンライン学習環境の活用事業」の一環として、学習者用デジタル教科書を中心とした国語科の学習活動の履歴データを活用した学習方法の共同研究を実施。デジタル教科書を活用した授業から得られる日々の学習履歴データや、テスト・ワークシート等による学習履歴データを統合的に分析し、個別最適化したフォードバックを行うことで、教員の授業・指導・評価の改善および児童生徒が主体的に学習に取り組む態度の育成を目指す。

 今回の共同研究において、ネットワンシステムズはICTインフラおよび機器類の提供、個別最適化された学びや協働的な学びへのICT活用方法の提言、研究全体の円滑なサービスの運用に関わる調整等を担当。DNPは「学びのプラットフォーム リアテンダント」の提供、学習活動で取得する履歴データの分析、履歴データと学校でのテスト結果データの統合的な分析および活用方法の検討等を担当。光村図書出版は、クラウド環境下で学習者用デジタル教科書を活用した学習活動の提案、学習活動による履歴データや成果物の分析等を担当。各者が強みを生かしながら成果につなげる研究を行う。

 共同研究にあたり、相模原市教育委員会は「学習履歴データの利活用について積極的に検討していきたいと考えていたところ、各者の協力のもと共同研究を開始することができました。本研究を通じて学習履歴データの効果的な活用方法を見出し、教員の授業・指導・評価の改善や、児童生徒の主体的に学習に取り組む態度の育成等につなげていくことで、一層魅力ある充実した教育を実現していきたいと思います」とコメントを寄せている。

 近い将来、エビデンスに基づく教育活動が行われ、これまで以上にひとりひとりに向き合った授業が実践されることに期待が寄せられる。今回の共同研究を通して、デジタル教科書が学習履歴データ等を活用した教育を実現するためのコアコンテンツであることの検証を進めていくという。
《畑山望》

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