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【大学受験】共通テスト追試会場を全都道府県へ…全国高校長協会

 全国高等学校長協会は、2022年度以降の大学入学者選抜について文部科学省に要望書を提出した。大学入学共通テスト(以下、共通テスト)の追試会場を引き続き全都道府県に設置することや、入試方法を変更する際の共通ルール設定等を求めている。

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 全国高等学校長協会は、2022年度以降の大学入学者選抜について文部科学省に要望書を提出した。大学入学共通テスト(以下、共通テスト)の追試会場を引き続き全都道府県に設置することや、入試方法を変更する際の共通ルール設定等を求めている。

 全国高等学校長協会は3月中旬、全国の都道府県協会の会長を通じて2020年度に実施した大学入学者選抜の実施状況に関する調査を実施。回答結果の概要をまとめるとともに、寄せられた意見を整理。回答の中から文部科学省に要望する内容をまとめ、4月28日付で文部科学大臣宛てに要望書として提出した。

 要望したのは、「大学入学者選抜実施要項に示された日程等を順守するよう指導してほしい」「新型コロナウイルス感染症に感染した受験生に対する救済措置が十全にとられるよう、大学を指導してほしい」等の6項目。

 2020年度に実施した共通テストについては、アンケート結果の概要から、追試会場が全都道府県に設けられたことで受験生の経済的・心理的負担が軽減されたと評価。今後も継続を望む声が多いとして、「共通テストの追試の会場を引き続き全都道府県に設けてほしい」としている。

 大学の個別試験については、アンケート結果で受験生の負担軽減、感染症拡大防止、自然災害等の面から地方会場を増やしてほしいという声が多いと説明。「コロナ禍の個別試験において、地方会場を増やしていくように大学に働きかけをしてほしい」と要望している。

 また、2020年度に実施した大学入学者選抜では、新型コロナウイルス感染状況等により、個別試験を取りやめて共通テストのみで合否判定するような変更が直前に周知されたり、共通テスト実施後に個別試験方法の変更が公表されたりする事例があった。全国高等学校長協会は「急な変更は受験生にとって不安となるため、周知方法等について共通ルールを設定してほしい」と要望している。

 新型コロナウイルス感染症への対応として、オンラインで入試を行う大学が増えている中、試験の公平・公正の確保や当日の通信トラブル等の事故対応等には課題があったことから、オンライン入試について「万全の体制で行われるよう大学を指導してほしい」とも記している。

 全国高等学校長協会は今後、今回のアンケート結果で示された課題等を会員間で共有し、改善のための好事例等を紹介しあい、より良い大学入試のあり方を見出していきたいとしている。
《奥山直美》

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