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高校生のインターネット・リテラシー、正答率は過去5年比で最高

 総務省は2021年4月20日、「2020年度青少年のインターネット・リテラシー指標等に係る調査結果」を公表した。高校生の正答率は、過去5年比でもっとも高い72.0%で、男女別では女子のほうが正答率が高かった。

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2020年度ILASの結果(過去結果との比較)
  • 2020年度ILASの結果(過去結果との比較)
  • 2020年度ILASの結果(男女別および学校所在地別)
  • 高校生のインターネット利用実態(利用機器)
  • 高校生のインターネット利用実態(家庭でのルール)
  • フィルタリング利用状況(フィルタリングの認知と利用状況)
  • 高校生のインターネット利用実態とILAS結果 クロス集計(フィルタリング利用と家庭でのルール)
 総務省は2021年4月20日、「2020年度青少年のインターネット・リテラシー指標等に係る調査結果」を公表した。高校生の正答率は、過去5年比でもっとも高い72.0%で、男女別では女子のほうが正答率が高かった。

 総務省は、インターネット上の危険・脅威に対応するための能力や現状等を可視化するテスト「青少年がインターネットを安全に安心して活用するためのリテラシー指標(ILAS)」を2011年度に開発。2012年度より毎年、高校1年生を対象にILASとアンケート調査を行っている。2020年度は74校1万2,499人を対象に実施し、結果を集計・分析して公表した。

 ILASの全体の正答率は72.0%で、2015年度~2019年度の結果(67.2%~69.7%)を上回っている。男女別の正答率では、例年の傾向と同様に女子が高く、男子70.1%に対し、女子74.0%だった。学校の所在地別の正答率は、政令市(特別区を含む)が75.6%、中核市が71.2%、その他71.2%だった。

 項目別の正答率については、いずれの項目においても、2015年度~2019年度の過去5年間の平均を上回っている。なお、過大消費、依存、歩きスマホ、マナー等の「不適切利用リスク」以外のすべての項目においては、2015年度以降もっとも高い結果となった。特に、フィッシング、ネット上の売買等の「不適正取引リスク」は2015年度の57.1%から4.8ポイント上昇の61.9%、ID・パスワード、ウイルス等の「セキュリティリスク」は2015年度の65.3%から4.6ポイント上昇の69.9%と上昇幅が大きかった。

 インターネット接続機器としてスマートフォンを保有している高校生は98.8%。保有するインターネット接続機器のうちでもっともよく利用する機器として、94.3%がスマートフォンをあげている。

 スマートフォン等やSNSを利用する際に家庭でのルールがあるのは全体の53.8%を占め、男女別では男子48.6%、女子59.2%と女子のほうが多かった。家庭でのルールの内容は、「情報公開(個人情報)の制限」41.5%がもっとも多く、「使用できるサービス・アプリの制限」38.1%、「使用場所の制限(学校、食事中)」34.5%などが続いた。

 スマートフォンを利用している高校生のフィルタリングの認知状況は、「よく知っている」が29.6%、「多少知っている」が49.9%、「あまり知らない」が16.3%、「まったく知らない」が4.2%という結果となり、一定程度フィルタリングを認知しているのは79.5%と前年度(2019年度)よりも4.8ポイント増加している。また、一定程度フィルタリングを認知している高校生のうち、48.6%がフィルタリングを利用しており、15.6%が以前利用していたが、今は利用していないことがわかった。

 さらに、フィルタリング利用や家庭でのルールとILASの結果をクロス集計したところ、正答率は「フィルタリングを利用している」74.4%、「フィルタリングを利用していない」72.9%、「家庭でルールがある」73.2%、「家庭でルールがない」70.8%と、フィルタリングを利用している高校生や家庭でルールがある高校生のほうが高い傾向にあった。
《桑田あや》

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