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デジタル教科書の現行基準撤廃、普及促進へ…文科省

 文部科学省は「教育現場におけるオンライン教育の活用」について取りまとめ、2021年4月1日にWebサイトで公表した。不登校児らが自宅などで行うオンライン学習を一定の要件のもと出席扱いとするほか、学習者用デジタル教科書は現行基準を撤廃する。

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オンラインを活用した児童生徒に寄り添う質の高い教育の実現
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 文部科学省は「教育現場におけるオンライン教育の活用」について取りまとめ、2021年4月1日にWebサイトで公表した。不登校児らが自宅などで行うオンライン学習を一定の要件のもと出席扱いとするほか、学習者用デジタル教科書は「各教科等の授業時数の2分の1未満」とする現行基準を撤廃する。

 2020年12月22日に規制改革推進会議で決定された「当面の規制改革の実施事項」では、オンライン教育について「令和2年度(2020年度)中に政府として取りまとめ、必要な手順を踏みながら早期の措置を図る」としていた。

 今回、「当面の規制改革の実施事項」を踏まえ、3月29日に内閣府特命担当(規制改革)の河野太郎大臣と文部科学省の萩生田光一大臣が協議。「教育現場におけるオンライン教育の活用」について取りまとめた。

 同時双方向・オンデマンド動画・デジタル教材など、オンライン活用による児童生徒に寄り添う質の高い教育の実現については、学習の遅れがみられる児童生徒への重点的な指導、プログラミング学習における外部の専門家との連携、外国語の学習における海外の児童生徒とのコミュニケーションなどをあげた。

 不登校児童生徒や病気療養児が1人1台端末で自宅や病室などで行うオンライン学習については、「一定の要件のもと出席扱いとし、学習の成果を評価に反映する」とした。

 高校では、同時双方向によるオンラインを活用した授業で取得できる単位数上限について、「単位取得のために必要な授業数の半数を超えない範囲でオンラインを活用した授業をした場合等には、単位数上限に加算しないよう算定方法を弾力化し、教師による対面指導とオンラインを活用した指導を融合させた柔軟な授業方法を可能とする」と記載した。

 学習者用デジタル教科書の使用については、「各教科等の授業時数の2分の1に満たないこととする現行基準について撤廃する」と明記。学校現場でデジタル教科書が全国的に普及するよう促進する。

 このほか、新型コロナウイルス感染症対策として小中高校において特例的に実施した「臨時休業期間中のオンライン学習の成果を学習評価へ反映できる」「一定の要件のもとで対面での再指導を不要とする」の取扱いは、その他の感染症や災害等により児童生徒がやむを得ず学校に登校できない場合も可能とする。非常時にやむを得ず学校に登校できない場合は、オンラインを活用した学習の指導を教師が実施したと校長が認める場合、オンラインを活用した特例の授業と位置付け、指導要録に記録することができる。

 大学については、新型コロナウイルス感染症拡大により、対面を予定していた授業が十分な感染症対策を講じたとしても対面での実施が困難な場合、オンラインを活用した授業を行う弾力的な運用を認めるとした特例的な取扱いについて今後、他の感染症や災害等により対面授業の実施が困難な場合にも認める。
《奥山直美》

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