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アドビ、高校生のための「メディアラボ」実証研究開始

 アドビは2021年3月1日、インテルと共同で、公立中高一貫校において高校生の創造性の育成と発揮を支援する「メディアラボ」を東京都立三鷹中等教育学校に開設し、実証研究を開始した。高校における動画制作など、デジタルクリエイティブ教育の重要性を発信していく。

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メディアラボ
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 アドビは2021年3月1日、インテルと共同で、公立中高一貫校において高校生の創造性の育成と発揮を支援する「メディアラボ」を東京都立三鷹中等教育学校に開設し、実証研究を開始した。高校における動画制作など、デジタルクリエイティブ教育の重要性を発信していく。

 「メディアラボ」とは、動画制作ソフトなどのクリエイティブツールにも対応可能な機器を備え、高校生の創造性の育成と発揮を支える場所となることを目的に作られた教室。開設にあたり、インテルは第10世代インテル Core i7-10700K プロセッサー搭載のマウスコンピューター製 DAIV Z7を8台提供し、4K対応 iiyama液晶ディスプレイなど機材環境を整備。アドビはCreative Cloudユーザー指定ライセンスを提供し、映像や動画編集のプロも使用するクリエイティブツールが使える環境を実現した。

 今回の実証研究は、メディアラボの有効性を示すモデルケースを作り、全国の高校のPC教室環境が時代のニーズにあったものへアップデートされるよう啓発することが目的。実験研究校の東京都立三鷹中等教育学校は、すでに各生徒に1台ずつPCを配布し、CM模倣動画の制作活動を授業に盛り込むなど情報教育に力を入れているが、配布されているPCは画面が小さく、クリエイティブツールを使うには機能が十分ではなかった。

 メディアラボ開設に先駆けて、東京都立三鷹中等教育学校では1月30日と31日にインストラクショナルデザイナーで、Adobe Community Evangelistとしても活動する境祐司氏を講師に迎え、ワークショップ「Adobe Premiere Pro 講座(基本編)」を開催。2月21日には、よりクオリティの高い動画を作るためのスキルを学ぶワークショップ「Adobe After Effects 講座 ~Adobe Character Animator 制作体験~」も実施した。

 参加した生徒からは「短い動画を作るのにもすごく時間がかかった。今までは娯楽としてだけテレビやYoutubeを見ていたが、その後ろにとても大変な努力があることを知った」「今回使ったツールは使いやすく、自分の表現したいことを形にできた」などの感想があった。

 アドビ デジタライゼーションマーケティングの小池晴子本部長は、「ワークショップではカリキュラムで学んだことと、子どもたちの自由な発想が組み合わさることで、短期間にも関わらず我々の想定を超える作品が多数生み出されました。現在、高校生の1人1台PC端末の政策や議論が活発化していますが、その影で学校のPC教室を時代のニーズに合わせてどのようにアップデートすべきかという方針がみえない状態です。これからの社会で創造的問題解決能力を発揮していきいきと活躍できる人材となるためには、高校段階では今回のメディアラボのような創造的な活動をささえる環境がとても重要です。アドビは今後も、高校におけるデジタルクリエイティブ教育の必要性を発信してまいります」と述べている。
《奥山直美》

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