情報端末と子どもの関わり方
「スマホやゲーム」と「子ども」の関わりについては、多くの親が悩んでいます。スマホや携帯型ゲームには、子どもを引き付ける魅力がたくさんあります。そういった機器と他のこと(勉強など)とのバランスを取ることは、子どもの健全な育ちにおいてはとても重要なこととなります。
現在、日本中の公立学校でPC一人一台の施策が進められています。これまでもICTを活用した教育が推進されてきてはいたのですが、予算の関係などもあり、なかなかスムーズに進んでいませんでした。それが、今回の新型コロナウイルスの流行によって、一気に状況が変わりました。
2020年2月に突如始まった一斉休校では、学校から大量のプリントなどが配られ、それらの対応で苦労した家庭のことが話題となっていました。そういった状況の中、タブレットなどを活用し、学校に通学できなくとも質の高い学びを維持していた学校や自治体がありました。そういったことを経験し、2020年度には議会などで予算対応がなされ、一気にPC一人一台の施策が進みました。2021年3月までには99%の学校で配布が終了するとされています。
子ども主導で情報機器全体の使い方を考えていく
そういった中で問題になってくるのが、家庭でのスマホ(タブレット、PCなど)やゲームの扱いに関する問題です。保護者から学校に「スマホやゲームを学校で禁止(制限)にしてほしい」というお願いをされることがあります。本来、家庭での子どもの行動に関しては、保護者が自分の判断で決めていくべきものです。スマホやゲームなどに関しても、家庭で子どもにさせたくないのであれば、「買わない」という選択をすることもできます。
ただ今回、公費によってPC(タブレット)が配られます。さらに、学校保管でなく、家庭に持ち帰る形での活用をすることを文科省は求めています。そうなると、ハードおよびソフトにおいて対応が求められます。ハード面としては、少し専門的になるのですが、セキュリティソフトを入れて、何らかの制限を作っていくということです。また、ソフト面としては「使い方のルール」を学校として制定していくというものです。
そういった場合、配布されたPC(タブレット)だけでなく、個人所有のスマホや携帯型ゲームも含めた情報機器全体の使い方を考えていくことが良いでしょう。実際にルールなどを決める際には、教師が決めてしまうのではなく、子ども主導で決めていくということが理想です。小学校であれば、児童会、代表委員会などの子ども達が話し合いを行い、ルールを決めていくというやり方です。さらに望ましい方法としては、保護者(PTA)も加え、子ども・保護者・教員が一緒となって、「情報機器との望ましい付き合い方」を検討していくというものです。何らかのルールを決める際、その当事者(またはその一部)がきちんと関わったうえで決めたものには、説得力が出てきます。
こういったことは、その時だけの問題ではなく、それから先にどのように情報機器と付き合っていくのかということに関わります。単に禁止や何らかの制限をかけるだけでは、その場しのぎのような対応になってしまいます。本質を見据えた対応が求められるでしょう。