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【クレーム対応Q&A】家庭訪問に来ないでほしい

 保護者や地域からのクレームに先生はどのように対応するのが良いだろうか?クラス担任として豊富な経験がある鈴木邦明氏に、学校へ寄せられるさまざまなクレームに対応する際のポイントを聞いた。第7回は「家庭訪問は自宅以外の場所でお願いしたい」。

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 学校に寄せられるさまざまなクレーム。保護者や地域からのクレームに先生はどのように対応するのが良いだろうか?クラス担任として豊富な経験がある鈴木邦明氏に、学校へ寄せられるさまざまなクレームに対応する際のポイントを聞いた。第7回は「家庭訪問は自宅以外の場所でお願いしたい」。

家庭訪問で得られる情報は多い


 今回のテーマは「家庭訪問」です。私は、家庭訪問を「した」ことも、「された」こともあります。教師の立場として、そのメリットが大きいことは理解しています。ただ、訪問される側の家庭にさまざまな負担があることも事実です。

 家庭訪問は、その子どもの家庭での暮らしがわかるとても良いチャンスで、得られる情報がたくさんあります。教師としては、メリットがとても多いものです。家の中を見ることで、親がどのようなことに関心があるのかということがわかります。たとえば、目に付く所に地図(日本地図や世界地図)が置いてあれば、ニュースで地名などが出た時に、すぐに地図で確認をしていることが想像できます。リビングなどに本棚があり、そこに子ども向けの図鑑などがあれば、そういったものをよく見ていることになります。私の体感では、学校の子どもの机やロッカーの中の整頓の状態は、家の状態とほぼ比例しています。家庭で整頓を意識した生活をしているとそれが身に付いていることが多くなるのでしょう。

家庭訪問は減少傾向に


 しかし、家庭(保護者)から見ると、否定的な意見があるのも理解できます。「共働きで時間調整が大変」「家が狭く、担任を通すような場所が無い」「室内に見られたくないものがある」「片付けが面倒」「学校で行う個人面談で良いのでは」「隣の学校はやっていない」などです。

 全体の傾向としては、家庭訪問は減っています。実際の行う場合は、時間がかかります。クラスの人数にもよりますが、平日の午後を全部使って、1週間程度かかるでしょう。限られた時間の中で何を重視するのかを考え、家庭訪問を無くす方向になった学校も多いです。「家庭訪問」についての実施の有無については、それぞれの担任が個人で決められるものではありません。学校がPTAなどとも相談のうえ、次年度以降の家庭訪問について決めていくものです。それなので、各担任としては、その学校のやり方通りでやることになります。

難色を示された場合は折衷案を


 実際、家庭訪問を実施する際、難しいのが「自宅以外の場所(近所の公園、カフェなど)でお願いしたい」や「日程を決めたのに、何度も急にキャンセルになる」というものです。私も小学校の教員のころ、実際にどちらも経験したことがあります。こういった場合、あまり柔軟な対応をしてしまうと「あのクラス(担任)だけ不公平だ」という批判を受けることがあります。保護者同士はさまざまな形で情報が共有されています。家庭訪問のことだけではありませんが、学校や教師に関する色々なことを伝え合っています。それ自体は悪いことではありません。忘れ物を防ぐことにつながることもあります。ただどうしても噂のようにあることないことが付け加えられながら、情報が流れていくことが多いのも事実です。

 それなので、基本的には「家庭を訪問させてほしい」ということを家庭訪問のねらいと共に伝えます。折衷案(落とし所)として、「玄関先でどうですか?」という提案を私はしていました。玄関先であれば、親の負担(部屋を片付けることなど)は大きく減ります。家庭訪問に難色を示した家庭でも「玄関先ならば…」と態度を変えてくれたケースがありました。また、そういった情報を管理職に伝えることや兄弟の在籍しているクラスの担任に伝えることも重要です。

鈴木 邦明(すずき くにあき)
平成7年 東京学芸大学教育学部 小学校教員養成課程理科専修卒業。平成29年 放送大学大学院文化科学研究科生活健康科学プログラム修了。神奈川県横浜市、埼玉県深谷市で計22年、小学校教諭として勤務。現場教員として子どもたちの指導に従事する傍ら、幼保小連携や実践教育をテーマとする研究論文を多数発表している。こども環境学会、日本子ども学会など、多くの活動にも関わる。平成29年4月からは小田原短期大学特任講師、平成30年4月からは帝京平成大学講師として、子どもの未来を支える小学校教諭、幼稚園教諭、保育士などの育成や指導に携わる。
《鈴木邦明》

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