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中高生の英語力、目標5割届かず…地域で差

 文部科学省は2020年7月15日、2019年度(令和元年度)「英語教育実施状況調査」の結果について公表。中学生・高校生の英語力は、政府が目標とする英語力には達していないものの、経年で着実に改善が進んでいる。一方で、都道府県・指定都市による差があることもわかった。

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中学生・高校生の英語力
  • 中学生・高校生の英語力
  • 高校生の学科別の英語力
  • 中学生・高校生の英語力(都道府県・指定都市別)
  • パフォーマンステストの実施状況(中学校・高等学校)
 文部科学省は2020年7月15日、2019年度(令和元年度)「英語教育実施状況調査」の結果について公表。中学生・高校生の英語力は、政府が目標とする英語力には達していないものの、経年で着実に改善が進んでいる。一方で、都道府県・指定都市による差があることもわかった。

 調査は、英語教育改善のための具体的な施策の状況について調べ、今後の施策の検討に資するとともに、各教育委員会における英語教育の充実や改善に役立てるため、2013年(平成25年)から実施している。対象は、各都道府県・市町村教育委員会およびすべての公立小学校、中学校、高等学校で、2019年(令和元年)12月に実施。調査学校数は小学校1万9,187校、中学校9,340校、高等学校3,343校(合計4,584学科)。

 CEFR A1レベル(英検3級)相当以上を達成している中学生は44.0%、CEFR A2レベル(英検準2級)相当以上を取得している高校生の割合は43.6%と、いまだ目標(50%)には達していない。しかし、経年で着実に改善が進み、中学生は前年度より1.4ポイント増、高校生は3.4ポイント増。調査開始以来、最大の伸びとなっている。

 高等学校の学科別に見ると、CEFR A2レベル(英検準2級)相当以上を取得している「英語教育を主とする学科および国際関係に関する学科」は91.2%、普通科は56.2%、そのほかの専門学科および総合学科は15.8%。高校生の割合の目標(50%)を達成するには、普通科・そのほかの専門学科および総合学科の数値を改善していくことが必要である。

 普通科、英語教育を主とする学科および国際関係に関する学科では、外国語の資格検定試験は受験していないがCEFR A2レベル相当の英語力を有すると思われる生徒の割合が減り、資格検定試験を実際に受験してCEFR A2レベル相当以上を取得している生徒が増えている。

 「CEFR A1/A2レベル相当以上の英語力を有すると思われる生徒」とは、実際に外部検定試験の級、スコア等を取得していないが、2技能または3技能を測る試験のスコア、公式な記録としては認定されない試験のスコア、「CAN-DOリスト」に基づくパフォーマンステストの結果、各教育委員会でモデル校での検証に基づいて定めた目安により、それに相当する英語力を有していると英語担当教師が判断する生徒を指す。

 「話すこと」「書くこと」のパフォーマンステストを両方とも実施している割合は、中学校では8割を超えている。高等学校では、前年度に比べて全体では5.1ポイント上昇したものの、「話すこと」「書くこと」の両方の評価を行っている割合は、いまだに4割に満たない。パフォーマンステストは、4技能のバランスのとれた育成、特に発信力の強化を図る上で不可欠であり、高等学校での実施状況が低いことに課題がある。

 また、都道府県・指定都市による差があり、引き続き授業改善への取り組みを共有していくことが必要としている。都道府県・指定都市別でみると、中学(CEFR A1レベル相当以上の英語力を有する生徒の割合)ではさいたま市の77.0%がもっとも高く、ついで福井県61.4%、岐阜県58.1%。東京都は51.6%で50%を超えている。愛知県31.6%や島根県34.1%などは3割程度にとどまっている。高等学校(CEFR A2レベル相当以上の英語力を有する生徒の割合)では、秋田、富山、福井、兵庫の4県が50%を超えた。東京都は46.7%だった。

 2020年度(令和2年度)は、各学校が新型コロナウイルスで影響を受けた学習保障に取り組むことを優先するため、調査は実施しない。2019年度調査の追加分析資料などの提供を行うとともに、都道府県・指定都市教育委員会の指導主事等との情報交換を通して実態を把握する。
《田中志実》

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