新型コロナウイルス感染症の影響で外国語指導助手(ALT)の確保が難しくなると想定されることから、文部科学省はALTが授業に参加できない場合の対応例をまとめ、2020年7月10日付で全国の学校設置者に周知した。ALTを補う人材の確保などを例にあげている。 新型コロナウイルス感染症に関する水際対策として現在、外国人の入国は原則拒否されており、入国拒否の対象は111か国にのぼる。語学指導などを行う外国青年招致事業JETプログラムについても、2020年9月に予定していたALTの一斉来日が、入国が可能となった国から順次受入れに変更となっている。 文部科学省では、小学校、中学校、高校、特別支援学校によっては、当初の計画通りにJETプログラムALTなどの外国語指導助手(ALT)が、学校に来て授業などに入るのは難しくなることが予想されると指摘。ALTが外国語教育や国際理解のために果たしている役割に鑑み、ALTの活用が予定通りにできなくなった場合の例などをまとめ、7月10日付で都道府県教育委員会など全国の学校設置者に通知した。 ALTが予定通りに授業などに参加できない場合の対応については、「ALTの配置と年間の指導計画の見直し」「学習活動の工夫」「ALTを補うための人材・協力者の確保」を例示。このうち、学習活動の工夫の例では、Web会議ツールを活用して、ティームティーチングを行うことや、児童生徒が遠隔地の外国人と会話することなどを示した。 ALTを補うための人材・協力者の確保の例では、英語が堪能な地域人材などを非常勤の学習指導員などとして採用することを提案。2020年度第2次補正予算における学習指導員等の追加配置(補習等のための指導員等派遣事業)の募集については別途、各都道府県および政令指定都市の事業担当課に文部科学省から後日連絡予定とした。 また、学校においてALTが授業などに参加する際の注意事項については、「他の教職員同様に感染予防対策を徹底すること」と記載。ALTの出身国などによっては、マスクを着ける習慣がないことに留意しつつ、近距離での会話や発音などが必要な場面では、マスク着用を周知するよう求めている。