文部科学省は2026年8月21日、2028年度から5か年の「第5期教育振興基本計画」について中央教育審議会に諮問した。生成AIを筆頭とする急速な技術革新や少子高齢化の進行など、2040年以降の社会を見据え、教育施策を総合的に検討する。
政府は2008年度に初めての教育振興基本計画を策定し、以降5年おきに策定している。今回の諮問を受けて中央教育審議会は、現行の第4期計画(2023年度~2027年度)の成果や課題を踏まえて審議を重ねる。
第5期教育振興基本計画の策定にあたっては、AI時代への対応をはじめ、現行計画策定以降の情勢変化に着目して2040年以降の社会を捉え直し、教育政策全体について総合的に検討。第5期計画に求められること・検討すべき観点には「生成AI等の技術革新の急速な進展」「人口減少・少子高齢化の進行」「社会・産業構造の変容」「わが国社会や教育現場の多様化」「ウェルビーイングの重要性の高まり」をあげている。
今回の諮問で審議の柱として示された検討事項は、「今後の教育政策に関する基本的な方向性」「基本的な方針とおもな施策」「実効性の確保・向上策」の3点。必要な人的・物的資源の確保といった具体的な手段を念頭に置いたうえで、第5期計画期間内に着実に実行に移されるように議論を進める。
たとえば、「生成AI等の技術革新への対応」では、AIを適切に活用するリテラシー、自ら問いを立てて学びを深める力を育むとともに、好奇心や意欲・志、粘り強さなど人が人としての価値を発揮するための基盤となる人間力の育成が求められると指摘。AIの活用により教育そのものの質の向上を図る観点や、「デジタル」と「リアル」を最適に組みあわせる観点も引き続き重要とした。
「社会・産業構造の変容」では、理工・デジタル分野や地域を支えるエッセンシャルワーカーの人材不足に対応するため、探究・文理横断・実践的な学び、留学などの越境体験をさらに推進する。
「わが国社会や教育現場の多様化」では、不登校児童生徒や特別な支援を要する児童生徒・在留外国人が増加する中、誰1人取り残されず、ひとりひとりの可能性が開花する教育を実現するため、担い手となる教職の魅力を向上し、質の高い教職員を確保し続ける環境の整備を求めた。
このほか、2027年度から5か年の「第4次学校安全の推進に関する計画」についても8月21日付で諮問した。大規模災害やSNSに起因する犯罪被害、クマなどの鳥獣被害の恐れ、事件・事故など、社会の状況変化を踏まえた対応を検討する。








