文部科学省は2026年6月3日、大学入学者選抜における受験生の不正行為の事案が明らかになっていることを受け、各大学に対策の徹底を促す通知を出した。学長のリーダーシップのもと、出願から入学後までを通じた一貫したチェック体制の構築を求めている。
近年、学部・大学院の入学者選抜や関連試験では、なりすまし受験、スマートフォンなどの通信機器の不正利用、証明書の偽造などの事案が明らかになっている。
通知では、学長のリーダーシップのもと、入試担当理事が全体を統括し、学部間の連携強化や業務全体を点検する体制の整備を求めた。あわせて、責任体制の明確化、学内規程の整備、教職員研修の実施に加え、不正が判明した場合に入学を取り消せるよう規程整備を検討することも求めている。
受験生に対しては、募集要項などを通じて不正行為の禁止を周知し、必要に応じて警察への被害届提出を含む対応を行う可能性があるなど、罰則を明示するよう要請した。出願書類のうち、卒業証明書や成績証明書は、デジタル技術を活用した真正性の確認を行うなど実効性のある対策を推奨。外部試験(英語検定など)については、外部試験団体から直接、デジタル方式により成績を送付してもらう仕組みを活用するなど、真正性の担保を求めた。
試験当日は、監督者に服装や手の位置、目線など巡視時の確認ポイントを事前に共有するなど、監視体制を強化するよう要請。
入学手続き時には、受験票や身分証明書、試験時の記録を照合してあらためて本人確認を行う。特にオンライン試験の合格者については慎重な確認が必要だとし、受験者に周知したうえで試験のようすを録画保存することや、顔認証システム、スマホカメラによる周囲確認など、不正防止策の実施例を示した。また、入学後に語学力や成績が入試時の情報と著しく異なる場合や新たな情報が得られた場合は、入試時の記録と照合できる体制を整備するよう求めている。
なお、大学院入学者選抜についても同様に、各研究科などの部局任せにせず、大学本部が主導して情報を共有し、統一的な対策を講じるよう要請している。











