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中教審、次期指導要領「体育」の骨子案…多様な楽しみ方重視

 文部科学省の中央教育審議会は2026年6月5日、体育・保健体育、健康、安全ワーキンググループ(第10回)を開催し、次期学習指導要領に向けた取りまとめ骨子案を示した。

教育行政 文部科学省
運動領域等の学習の系統性の改善イメージ
  • 運動領域等の学習の系統性の改善イメージ
  • 体育の資質・能力の改善イメージ

 文部科学省の中央教育審議会は2026年6月5日、体育・保健体育、健康、安全ワーキンググループ(第10回)を開催し、次期学習指導要領に向けた取りまとめ骨子案を示した。体育・保健の教育的意義を維持しつつ、現代的な健康課題への対応や指導環境の整備を重視。教科名の変更や小学校低学年からの学習系統性の再整理など、具体的な改善の方向性が盛り込まれた。

 今回の改善案では、体育の系統性を幼児期から見直し、小学校4年生までを「各種の運動の基礎を培う時期」と位置付けている。児童が夢中になって試行錯誤したり他者と関わったりできるよう、内発的動機付けに基づく「遊び」の要素を取り入れた学び(運動遊び)を重視する方針だ。単なる自由遊びとは異なり、運動の楽しさを味わいながら多様な動きを身に付けることで、小学校5年生以降の学習へとなめらかに接続し、生涯にわたって運動・スポーツと豊かに関わる基礎を育む。

 体育科の改善案では、運動・スポーツの「多様な楽しみ方」を強調している。従来の「する」「みる」「支える」「知る」に加え、改正スポーツ基本法の趣旨に基づき「集う」「つながる」といった要素も整理された。特定の種目の競技力向上を主目的とせず、発達の段階に応じて「動き」や「運動との関わり方」を学ぶ場としての性格を明確にする。特に中学校3年生以降は自己選択や社会との接続を重視し、卒業後もスポーツを多様に楽しめる資質・能力を養う方針だ。

 水泳授業については、水に親しむ楽しさに加え、身体的負荷の軽減や水難事故から身を守る力の習得といった教育的意義を改めて整理した。安全確保のための指導は、実際の対応力につなげるため、水に触れる機会を通して学ぶことが望ましいとされる。昨今の課題であるプールの老朽化や猛暑に対しては、学校プールの集約化や社会体育施設の活用、民間事業者との連携による持続可能な実施体制の構築を推進する。

 学習内容の現代化に伴い、名称変更も進める。中学校・高等学校の「体育理論」を「スポーツ理論」に、高等学校の専門学科「体育」を「スポーツ」へと改める。保健の学習では、複雑化する健康課題に対応するため、単なる知識の暗記ではなく、中核となる「概念」や「原則」の習得を重視。未知の課題に対しても、自ら適切に意思決定し行動選択できる力の育成を目指す。あわせて、性犯罪・性暴力の根絶を目指す「生命(いのち)の安全教育」の充実や、ICTを活用した個別最適で協働的な学びのアップデートも提案された。

《千葉智加》

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