松本洋平文部科学大臣は2026年7月17日の記者会見で、学校教育に係る保護者の負担軽減に向け、省内にプロジェクトチームを設置したと発表した。会見ではこのほか、高等学校の定時制教育および通信教育振興法改正の背景と意義、今後の基本的な指針策定に向けた方針などについて説明した。
文部科学省はこれまで、学校における指導運営体制の充実や学校の働き方改革に取り組むとともに、高校生への就学支援や義務教育段階における就学援助制度などを通じ、教育費の負担軽減に取り組んできた。今回、こうした取組みに加え、保護者などの負担軽減策をさらに進めるため、初等中等教育局に「学校教育に係る保護者の負担軽減プロジェクトチーム」を設置した。
プロジェクトチームでは、局横断的な検討を行い、自治体や学校で工夫して取り組んでいる好事例を取りまとめた。具体的には、教材などの学校備品化、学校指定品の見直し、制服や教材などの再利用などをあげている。文部科学省は同日、これらの好事例を全国の自治体に周知した。さらに、各学校での検討を加速するため、PTA関係団体に対しても、学校における取組みの推進に積極的な参画を依頼するとしている。
松本大臣は、保護者の負担軽減を進めることで、学校における徴収金の管理が軽減されるなど、働き方改革が進んだという声も聞いていると説明。文部科学省として、保護者の負担軽減に取り組むとともに、引き続き事務職員や教員業務支援の体制充実にも努めるとした。
高等学校の定時制教育および通信教育振興法の改正については、定時制高校および通信制高校が、不登校など多様な背景を有する生徒の受け皿となっている現状に言及した。一方で、生徒が増加を続ける通信制高校では、一部に学習指導要領などを踏まえない不適切な教育も見受けられるとし、今回の改正は、定時制教育および通信教育の質の確保・向上を図り、多様な生徒の自立に資するものだと受け止めを述べた。
改正法では、通信教育の適正な実施および運営の確保のため、文部科学大臣が基本的な指針を策定することとされている。指針には、通信制高校の適正な管理運営に関する事項、必要な監督・指導・助言などに関する事項、広域通信制高校に関する関係地方公共団体相互間の連携協力に関する事項などを定める。文部科学省は今後、有識者の意見も聞きながら、速やかに基本指針の策定を進める方針。
このほか、会見では、日本人として初めてノーベル生理学・医学賞を受賞した利根川進氏の逝去について、松本大臣が哀悼の意を示した。佐渡島の金山をめぐるユネスコ世界遺産委員会の決議案については、政府として世界遺産委員会での審議を注視し、日本側の立場に関する関係者への丁寧な説明を含めて適切に対応するとの考えを示した。また、JAEA(日本原子力研究開発機構)における次世代中核機能拠点などの施設整備計画については、報告を踏まえ、予算要求に向けて具体的な検討を進めるとした。







