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【共通テスト2026】「数学I・A、数学II・B・C」塾向け講評と対策…正しく理解し誘導に乗る必要性

 2026年度大学入学共通テスト「数学」の問題について、テスト作成ツール「Dr.okke」を提供するokkeによる塾向け講評を紹介する。設定や考え方を正しく理解し、問題が指示している誘導に乗るという思考の流れや、その誘導にうまく乗ることで計算を省略していく必要性があった。

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【共通テスト2026】「数学I・A、数学II・B・C」okkeによる塾向け講評
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 2026年度(令和8年度)大学入学共通テスト「数学I・A、数学II・B・C」の問題について、テスト作成ツール「Dr.okke」を提供するokkeによる塾向け講評を紹介する。

数学I・A

講評

 全体の構成は昨年と変わらず、旧課程から整数問題が削られた全4問で、すべて必答問題でした。昨年は新課程1年目ということもあり、新課程で追加されたテーマはすべて出題されていましたが、今年は出題されないテーマもありました。

 問題形式としては、形式としては昨年までの共通テストを踏襲した形で、会話文を含む問題も出題されましたが、日常の事象を題材とした問題が減ったことから分量は減り、その点では解きやすくなっていたように思います。

 例年どおり大問の最初のほうでは得点しやすい設問もあり、計算もそこまで煩雑ではない問題が多かったものの、全体的に思考力が試される問題が多く、昨年と比べると難しいセットでした。

講評まとめ・難易度は?

 共通テスト2026の数学I・Aは、これまでの共通テストの数学I・Aと同様に、公式に当てはめておしまいではなく、知識を土台として思考力を問う傾向にありました。

昨年に比べて、

・大問1〔1〕から、考察が必要な集合の問題が出題されたこと
・大問3の図形の分野で、難易度の高い空間図形が出題されたこと
・大問4の確率の分野では、問題文が長く、設定を理解し、誘導にうまく乗りながら正しく確率を計算することが難しかったこと

といった変化があったことを踏まえると、個人的な体感としては難化と感じました。

 詰まったら飛ばして、三角比の最初のほうや、二次関数・データの分析といった、比較的取りやすいところでいかに点を集められたかがポイントになりそうです。

数学II・B・C

講評

 こちらも数学I・Aと同様に、全体の構成は昨年と変わりませんでした。こちらも、大問ごとの単元は、「令和7年度試験の問題作成の方向性、試作問題等」で示されたものに固定されているわけではない、ということに注意しておきましょう。

 実際、今年は指数・対数関数の出題は無く、第1問で図形と方程式(軌跡と領域含む)が出題されました。

 問題形式としては昨年までの共通テストを踏襲した形で、会話文を含む問題も出題されましたが、日常の事象を題材とした問題は減りました。

 数学I・Aと比べると、各大問の重さは比較的軽く、計算量は昨年と比べるとやや軽いものの、選択肢から値を選ぶ形式のものや、図示したものを選ぶ問題が多く、選択肢から選ぶ作業で地味に時間を使ってしまうセットでした。

講評まとめ・難易度は?

 共通テスト2026の数学II・B・Cは、昨年と同様、ひとつひとつの大問の中身は典型的なものが多くなっており、昨年と比較して、

・大問1で図形と方程式が出題され、領域の考察が少し難しかったこと
・大問6のベクトルの計算量が軽めになっていたこと(昨年が重たかった)
・全般的に、日常生活を題材にしたものが少なく、長い設定などを読みこなす必要がなかったこと

を踏まえると、取り組みやすいセットで、個人的な体感としては難易度はやや易化だと思います。

 とはいえ、多くの受験生にとって、数学I・Aでリズムを崩した状態で受験しなければならなかったことや、大問1が少し重たかったことから、本番の環境では一筋縄ではいかないセットでした。

共通テスト数学の対策法

 「今後共通テストの数学に対し、どのような対策を行っていけば良いか、考えてみましょう。

 「共通テスト型の問題」と言われつつも、上で紹介してきたとおり、表面的な設定や誘導を理解してしまえば、あとは普段の問題集などで出てくるテーマに帰着するものも多いので、まずはしっかりと各単元のテーマを定着させることが最優先となります(共通テスト型の演習ばかりやっていても、この土台がなければ、残念ながらなかなか点は上がりません)。

 今年は、数学I・A、II・B・Cともに、1つの単元の中のさまざまな知識を組み合わせるよう工夫された問題が多く見受けられましたので、各単元の内容を幅広く学んでおくことが重要です。

 一方で、知識の土台があるうえで、共通テストの形式に慣れていく演習期間を十分にとることも必要となっています。共通テスト開始時に比べると、会話文や長いリード文の読み取りは減ってきているとはいえ、「設定や考え方を正しく理解し、問題が指示している誘導に乗る」という思考の流れや、その誘導にうまく乗ることで計算を省略していく流れは、昨年に引き続き今年も多くの大問で求められていましたし、これらは共通テストに特有なものであるため、一定程度の慣れが必要です。

 そのため、特に現役生については、各単元の定着をいかに早く終わらせ、共通テスト形式の演習の時間を確保するかが1つの重要なポイントとなります。

 また、共通テストが求める思考力を身に付けるには、「この問題はこの公式」というように、学校のテストを一夜漬けの暗記で乗り切るような学習ではなく、普段から、自分の手で図などを書きながら泥臭く考える姿勢を大事にし、「なぜこの公式が成り立つのか」「なぜこの公式で解けるのか」といったことを妥協せず考えていく学習を積み重ねることが重要で、そうするとスムーズに共通テストの誘導にも慣れていけます。今年ついに、和積公式の証明が直接出題された点にも注目でしょう。

 このような思考力は一朝一夕では身に付かず、地道にやっていくしかないのですが、共通テストは小手先のテクニックでは太刀打ちできない試験となっており、近道はありません。とはいえ、単なる暗記ではなく考える勉強をしていると、さまざまな発見があって、学ぶこと自体が面白くなってくるはずですので、そのような学びを目指していくのが理想でしょう。


 Dr.okkeのWebサイトでは、2026年度共通テスト「数学」の講評のほか、設問ごとの詳しい分析が掲載されている。

 リシードではこの後、「数学」のほか、「情報」と「生物」についても紹介予定だ。

《okke》

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