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「学校の働き方改革」取組みの方向性を紹介、政府広報室

 内閣府政府広報室は2025年12月1日、「政府広報オンライン」にて、「勤務時間を意識する」「学校の業務を減らす」など、学校の働き方改革を進めるための取組みの方向性を紹介している。教師の業務見直しのためには社会全体の理解・協力が不可欠だとして協力を呼びかけている。

教育行政 文部科学省
新しい時代の教育のために。「学校の働き方改革」が進められています!
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 内閣府政府広報室は2025年12月1日、「政府広報オンライン」にて、「勤務時間を意識する」「学校の業務を減らす」など、学校の働き方改革を進めるための取組みの方向性を紹介している。教師の業務見直しのためには社会全体の理解・協力が不可欠だとして協力を呼びかけている。

 従来「子供のため」という合言葉のもと、学校では、社会のさまざまな要請を受けながら、熱意や使命感ある教師たちが、子供に関わる多くの業務を担ってきた。しかし、長時間勤務で疲れている教師では子供たちに良い指導はできず、教師の働く環境が厳しいことで、意欲・能力のある若者が教師を志さなくなり、学校教育の質の低下を招くことにもなりかねない。そこで、教師のこれまでの働き方を見直し、限られた時間の中で、子供たちに効果的な教育活動を行えるようにするために、「学校の働き方改革」が求められている。

 2025年6月に成立した給特法等改正法においては、学校における働き方改革を一層加速させるため、すべての教育委員会において、文部科学大臣が定める指針に即して、「働き方改革のための計画」を策定することが義務付けられた。

 そこで、取組みの方向性を2つ紹介している。1つ目は「勤務時間を意識する」。「勤務時間管理の徹底」に向けて、文部科学省は、指針の中で、教師が学校内外で勤務する時間をICTなどの客観的な方法で把握することを促すとともに、教師が決められた勤務時間を超えて学校などで勤務する時間について、1か月45時間、1年間360時間以内などの上限を定めている。

 また、すべての教育委員会において、すべての教師が上限時間の範囲内となるための数値目標を設定することや、その達成に向けて、学校・教育委員会が、教師の勤務時間を踏まえて適切な登下校時間を設定すること、緊急時の連絡方法を確保した上で留守番電話の設置やメールによる連絡対応を可能とすること、部活動について適切な活動時間や休養日を設定することなどに取り組むことも示している。

 2つ目は「学校の業務を減らす」。各学校や教育委員会は、これまで慣習的に行われてきた業務であっても、優先順位をつけ、思い切って廃止することも考えていく必要がある。教師が本来の業務に専念できるようにするため、指針では、中央教育審議会における議論を踏まえ、業務量の縮減や役割分担の見直しを進めるための考え方である「学校と教師の業務の3分類」((1)【学校以外が担うべき業務】、(2)【教師以外が積極的に参画すべき業務】、(3)【教師の業務だが、負担軽減を促進すべき業務】)を示している。

 具体的には、「登下校時の通学路における日常的な見守り活動等」「放課後から夜間などにおける校外の見回り、児童生徒が補導された時の対応」などは、「学校以外が担うべき業務」であり、業務内容に応じて、地方公共団体や教育委員会、保護者や地域住民などが担うべきとしている。

 つぎに「調査・統計等への回答」「学校の広報資料・Webサイトの作成・管理」などは、学校の業務となるが、事務職員や支援スタッフの参画や外部委託の活用などの積極的な検討が求められる。また、「給食の時間における対応」「授業準備」などは教師の業務ではあるが、それぞれの業務について、デジタル技術の活用や、教員業務支援員(スクールサポートスタッフ)などの教師を支援するスタッフや事務職員などとの効果的な連携・協働を図るべきとしている。

 内閣府政府広報室は、こうした業務の見直しを実行するためには、地域や家庭などを含め、地域全体で子供たちを育む体制を整備することが重要だとして、理解・協力を呼びかけている。

《中川和佳》

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